2017年10月24日火曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㊶ 10月21日(土)勝ち上がり馬

「だんだん寒くなってきましたね。」

今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。10月21日(土)のレースです。

10月21日(土)東京4R 芝1600m 優勝 1:37.9(雨・重)

デルタバローズ     牡 

父:Into Mischief
母:Sweet Seventeen
母父:ハードスパン

好スタートから先頭に立つ勢いでしたね。しかし福永祐一騎手が抑え2番手からレースを進めました。常に先頭を行くレアバードを射程圏内にいれながら走っていましたね。重馬場を気にしてか、4コーナーの周りながら直線では外目に出して追い出しにかかりました。鞭は使わなかったですかね。追い出して抜け出すと後続との差を広げて危なげなく優勝しました。
父Into Mischiefは中距離を主戦場とする血統背景の様に思います。それに母父ハードスパンのスピードを入れた配合でしょうか。母母母ピッコロプレイヤーにはLa Troienneのクロスがあり、父母父Tricky CreekにはHyperionのクロスがあったりなど、主流血脈を支える様々な血統のクロスも持つ競走馬の集めたような配合になっていますね。主流血脈ではHaloやHail to Reasonのクロスが観られますが、深部ではNasrullahのクロスも多くみられています。距離は1600m~2000mが適正距離ではないでしょうか。ダートも面白いかもしれませんね。


10月21日(土)東京5R 芝2000m 優勝 2:07.5(雨・重)

オブセッション        牡

父:ディープインパクト
母:パーシステントリー
母父:Smoke Glacken

スタートはそんなに良くありませんでしたかね。内ラチ沿いの中団後方からの競馬になりました。道中は重馬場ということもあってか、それともズブイのかC.ルメール騎手がやや押しながら位置をキープしていたと思います。3コーナー過ぎから馬群の中を進みポジションを上げていましたね。4コーナーでは少しでも馬場の良いところを通ろうと他の馬が外目に行くところを、内をついてポジションを上げ、直線にはいる時にはほぼ先頭に並ぶ位置にいました。直線にはいって追い出すとしぶとく伸びていましたね。内にラムセスバローズと馬体を併せ叩き合いになりました。最後は1/2馬身抜け出して優勝しました。
父ディープインパクトに母父Smoke Glackenのスピードを入れた配合です。Mr. Prospectorクロスがありスピードが強化されていますが、サンデーサイレンスとの間にはBlue Larkspur、Bull Dog、Sir Gallahad(Bull Dogと同血)という米国スタミナ血統のクロスも成立しています。母方にはNijinskyもいるのでここでも米国スタミナ血統のクロスが成立していますね。このような背景があり重馬場でも走れる力強さがあるのだと思います。



10月21日(土)京都4R 芝1400m 優勝 1:24.3(雨・稍重)

ナディア        牝

父:ノヴェリスト
母:カスクドール
母父:ダンスインザダーク

スタートは普通でしたね。押していきましたが中団からの競馬になりました。向正面で徐々にポジションを上げて先団後方につけると、そのまま3,4コーナーをまわってきました。直線に向いて追われると、外から反応良く伸びてきました。並ぶことなく一気に抜け出して優勝しました。
父ノヴェリストのスタミナに母父ダンスインザダークのスピードを入れた配合でしょうか。と、いってもダンスインザダークは菊花賞を勝ったステイヤーでもあるので課題はスピードということになるでしょうか。スピードを視点に見ていくとダンスインザダークのHail to Reason(父父Royal Charger)、キュンティアのMill Reef(父父Nasrullah)の3/4同血クロスがあります。父ノヴェリストの深部にもNasrullahはあるのでそこでもクロスは成立していますね。しかしナディアの特徴はやはりスタミナです。サンデーサイレンスがいてNijinskyのクロスがあることで米国スタミナ血統のクロスが成立しています。またMonsunとDarshaanの間ではTourbillonのクロスが成立していたり、もっと見ていくとHyperionのクロス、Princequilloのクロス、単独でもスタミナ十分なGraustarkのクロスも見て取れます。このような血統背景で1400mという決して適距離とは言えない条件で切れを見せて勝ったのはちょっとものが違うと思います。稍重の馬場が合っていたとも考えられますが、クラシックに向けて有力だと思いますし、期待したいですね。


10月21日(土)京都5R 芝1600m 優勝 1:38.8(雨・重)

カツジ      牡 

父:ディープインパクト
母:メリッサ
母父:ホワイトマズル

スタートは少し遅れた感じだったでしょうか。しかしダッシュよく先団後方につけることができました。5,6番手でレースを進め、3,4コーナーでも好位にいましたね。外に出そうとしていましたが、フタをされて直線に入りました。直線に入り、スペースができたところに出して追い始めると、脚を伸ばして抜け出してきました。そのまま1 1/2馬身の差をつけて優勝しました。
父ディープインパクトのスピードに母父ホワイトマズルのスタミナを入れた配合ですね。ホワイトマズルの産駒をみるとアサクサキングス、スマイルトゥモロー、イングランディーレ、ニホンピロアワーズ等がいてスタミナと力強さをもつ産駒が特徴の様に考えます。その要因となった血統にホワイトマズルの母父であるEla-Mana-Mouに含まれるAlycidon(父Donatello、母父Hyperion)のクロスがあることやハイハツト(父Hyperion、母父Donatello)の存在が大きいと思います。スピードを持つFair Trial(母母Lady Josephine)のクロスがあることも魅力ですね。
このような血統を持ち、Lyphardのクロスがあります。このLyphardにもHyperionやFair Trialがおり、スピードとスタミナを強化していますね。距離はもっと伸びても問題ないとおもいます。



未勝利戦

10月21日(土)東京1R ダート1400m 優勝 1:25.5(雨・不良)

トキノメガミ        牝

父:トビーズコーナー
母:マーベラスローズ
母父:ブライアンズタイム

ポンッとスタート良く先頭に立ちましたが、外からマナマカニが逃げを主張したので内ラチ沿いにつけ2、3番手からレースを進めました。道中は少し行きたがっているようにも見えましたが、野中悠太郎騎手がうまく抑えてレースをしていたと思います。直線に入ると先頭を行くマナマカニの内のスペースにひるまず突っ込んでいき追い出しました。追い出すとしっかり足を伸ばしていましたね。最後ユメイチズが差を詰めてきましたが、クビ差しのぎました。
父トビーズコーナーは種牡馬として日本では地方競馬で活躍する産駒を出していますね。トビーズコーナーの母Brandon's RideにはTourbillonのクロスもありますし、スタミナのあるPrincequilloのクロスもみられます。また深部にはLa Troienneの血を引くStrikingがいるのですが、母母マーベラスクインは同じくLa Troienneの血を引くBusandaがいることでクロスを成立させています。またマーベラスクインにはダートもこなせる力強さを持つチヤイナロツクもあります。このような血統背景の上に母父ブライアンズタイムがいるのでダート適正は高いのではないでしょうか。


10月21日(土)東京2R ダート1600m 優勝 1:36.6(雨・不良)

マリームーン       牝

父:カジノドライヴ
母:クラウンアスリート
母父:アフリート

スタート良く、やや押していくとダッシュよく先頭に立ちました。そのまま競りかけられることなく、1馬身差を保ちながら逃げて直線に入りました。後ろからデルマシャンパンが追ってきましたが、マリームーンは余裕がありましたね。持ったままでも差が詰まることはありませんでしたし、追い出されると脚を伸ばし逆に差を広げました。6馬身差をつけて優勝しましたね。
父カジノドライヴに母父アフリートのスピードを入れた配合ですね。Mr. Prospectorのクロスによりスピードが強化されており、またSecretariatのクロスがあること、Blushing Groom、Bold ReasoningがいることでNasrullahのクロスも成立していますね。My Charmer、BusandaがいることでLa Troienneのクロスも成立しておりパワーも強化されていますかね。父カジノドライヴがダートで活躍していたことを踏まえると、この血統背景からもダート適正は高いと思います。今レースはデビュー4戦目でしたが、ダートが初めてでこれだけの競馬をみせたことからも、主戦場はダートになるでしょうね。



10月21日(土)東京3R 芝1400m 優勝 1:23.4(雨・重)

ラストプリマドンナ      牝

父:ダイワメジャー
母:シルクプリマドンナ
母父:ブライアンズタイム

スタートはあまりよくありませんでしたね。その語はダッシュが良かったのと、やや掛かり気味だったこともあってか、外から3番手までポジションを上げていきました。そのまま直線に入り馬場の良い外に持ち出すと持ったままで先頭に並んでいました。追い出しにかかるとしっかり脚を伸ばし、抜け出して優勝しました。
父ダイワメジャーのスピードに母父ブライアンズタイムの力強さを入れた配合でしょうか。Hail to Reasonのクロスによりスピードが強化されていますが、血統背景を見るとダート適正が高いように考えます。まずAlmahmoudのクロスがあることでスタミナが強化されています。Almahmoudの父はスタミナのあるMahmoudになりますね。またLady Angelaのクロスもありますが、この血統にはHyperion、Traceryというスタミナがある血統が含まれています。しかもノーザンテーストはLady Angela2×3のクロスをもっていることからもダートをこなせるスタミナ、力強さを持っていると考えます。しかも母父はブライアンズタイム。今回芝でのレースでしたが、重馬場という力がいる状態だったのでこの血統背景が活きたのだと思いますし、であればダートでも十分走れると考えます。


10月21日(土)京都1R ダート1400m 優勝 1:26.3(雨・重)

 エスシーハンコック      牝

父:ダイワメジャー
母:アグネスカルミア
母父:ケイムホーム

スタートはあまりよくありませんでしたね、しかもダッシュもつかず最後方からの競馬になりました。ダートコースに入ってから徐々にポジションを上げていきましたが、3コーナーに入ってから森裕太朗騎手が押してポジションを上げていきましたね。1頭だけ違う勢いで上がっていき、4コーナー出口では先団を射程圏内にいれていました。直線に入り外からさらに追われるとさらにしぶとく脚を伸ばして、ゴールではクビ差前を行くピッパをとらえて優勝しました。
父ダイワメジャーに母父ケイムホームのスピードを入れた配合でしょうか。Northern Dancerのクロスがあることでスタミナが強化されていますが、スピード血統であるNasrullahのクロスも見られていますね。距離は1600m前後が適正距離かなと思います。今回はスタミナを活かしたレースになりましたが、理想としては先行して早め抜け出して粘りこむ展開が良いのではないでしょうか。



10月21日(土)京都2R ダート1200m 優勝 1:12.6(雨・重)

 コウエイアンカ       牡

父:プリサイスエンド
母:カノヤトップレディ
母父:キングヘイロー

スタートは普通でしたが、押して前につけましたね。4,5番手からレースを進めていましたが、3コーナーに入るあたりから松山弘平騎手が押してポジションを上げ、3コーナー途中ではすでに先頭に立っていましたね。そのまま4コーナーをまわり直線に入りました。追い出してからもしかり伸びて後続を突き放しました。3馬身差をつけて優勝しました。
父プリサイスエンドのスタミナに母父キングヘイローのスピードを入れた配合でしょうか。Mr. Prospectorのクロスがあることでスピードが強化されていますね。適正距離は1600mまでとは思います。父プリサイスエンドの母Preciselyと母カノヤトップレディの母母ラディカルチックはスタミナ血統なので、これがどの程度活きるかがポイントだと思います。


10月21日(土)京都3R 芝1800m 優勝 1:51.3(雨・稍重)

アドマイヤアルバ       牡

父:ハーツクライ
母:エリドゥバビロン
母父:Bernstein

スタートは一番良かったですね。先頭に立つ勢いでしたが、外からシメイ、内からダノンテアトロが前にいったので、アドマイヤアルバはその後ろに形になりました。やや行きたがるそぶりも見せていましたが、川田将雅騎手がうまく抑えていたと思います。3,4コーナーにかけて徐々に進出し始め、4コーナー出口では外目から先頭に並びかけるような位置にいました。直線に入ると内にダノンテアトロと馬体を併せて追い比べになりました。しかし余裕がありましたね。手ごたえに余裕がありましたし、抜け出すと1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父ハーツクライのスタミナに母父Bernsteinのスピードを入れた配合でしょうか。ビユーパーダンスとLa Affirmedの間でLa Troienneの血をひくBusandaのクロスが成立しており力強さが強化されていると考えます。これの血統背景もあり稍重馬場も走れたのだと思います。距離は2000m~2400mが適正距離でしょうか。


10月21日(土)新潟2R ダート1800m 優勝 1:54.5(曇・良)

タイキフェルヴール      牡

父:フリオーソ
母:アッシュベリー
母父:Any Given Saturday

スタートはやや出遅れたかな、と思いましたが、北村友一騎手が追って先団につけることができました。道中は先団の内3、4番手につけてレースを進めていましたね。そのまま最後の直線に入りましたが、前は2頭が壁になり横にはゴッドスパロウがいて抜け出すところがありませんでしたが、前の2頭トゥンバドーラとリベリュールの間を割って抜け出してきました。抜け出してからは後続を突き放すだけの競馬になりましたね。9馬身の差をつけて優勝しました。強かったと思います。
父フリオーソはダートで活躍した競走馬でしたが、母父にAny Given Saturdayを迎えスピードを入れた配合になりましたかね。Mr. Prospectorのクロス、Nashua(父Nasrullah)のクロスがあることでスピードを強化していますね。今回が初のダートでしたがこれだけの競馬ができるのであれば、ダート適性が高い馬なのだと思います。


10月21日(土)新潟5R 芝1200m 優勝 1:09.9(曇・良)

キングキングキング       牡

父:キングズベスト
母:アドマイヤアロング
母父:スペシャルウィーク

スタートは良かったですね。無理に押していくことはせず中団からの競馬になりました。3,4コーナーでは徐々に前との差を詰め、4コーナー出口では5,6番手まで上がっていました。直線に入り追われるとしっかり反応して一気に先頭をとらえて抜け出しました。抜け出すとあとは後続との差を広げるだけでしたね。3馬身の差をつけて優勝しました。
父キングズベストのスピードに母父スペシャルウィークのスタミナを入れた配合でしょうか。Mr. Prospectorのクロスによりスピードは強化されていますが、母アドマイヤアロングはBuckpasserのクロスを持っていることで、米国スタミナ血統のクロス、La Troienneクロスが成立しています。さらにNijinsky、My Charmerがいることでさらに米国スタミナ血統のクロス、La Troienneクロスが追加されています。また父母AllegrettaにはDonatello、Hyperionというスタミナ血統があるのですが、スペシャルウィークにあるセントクレスピンにもDonatello、Hyperionがありクロスを成立させています。このように考えると1200mという距離は短すぎるように思います。中長距離でも走れる血統背景だと思うので、距離をのばしてのレースを観てみたいですが、Mr. Prospectorのクロスの影響が強く出ているのかもしれませんね。




参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

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