2017年11月1日水曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㊹ 10月29日(日)勝ち上がり馬



今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。10月29日(日)のレースです。

10月29日(日)東京4R 芝1400m 優勝 1:27.2(雨・不良)

ヒシコスマー      牡

父:ブラックタイド
母:コスマグレース
母父:ヘクタープロテクター

スタートは普通にでて中団につけましたが、その後後方に下がりましたね。ズブイところもあるのか、3,4コーナーではC.デムーロ騎手Gあ押してポジションを上げていましたね。それでも直線に入るときには先団後方の外にいました。直線に入って外から追い出されるとじわじわと脚を伸ばしていましたね。ゴール前では先頭を行くイカヅチをハナ差とらえて優勝しました。
父ブラックタイドのスタミナに母父ヘクタープロテクターのスピードを入れた配合ですね。Lyphard、Cosmahのクロスがあることでスタミナが強化されていますね。心配なのはWoodmanの早熟性でしょうか。今回は勝ちましたが、馬場が渋って良い感じはしませんでした。距離は1600m~2000mが適正距離でしょうか。



10月29日(日)東京5R 芝1800m 優勝 (・)

サトノソルタス        牡

父:ディープインパクト
母:アイランドファッション
母父:Petionville

好スタートから先頭に立ちましたが、内からワークジュニアが前に出ると先頭を譲り2番手からレースを進めました。道中も流れに乗って走っていたように見えました。3,4コーナーでもそのままの位置をキープしていました。4コーナー出口の近くになってM.デムーロ騎手が追い出して直線に入りました。そのまま直線半ばまでは内にワークジュニアと馬体を併せてたたき合いになりました。直線半ばで競り落とすと、そこからしぶとく伸びてダークナイトムーンをとらえるとアタマ差抜け出して優勝しました。決して重馬場が得意という感じではないと思います。
父ディープインパクトに母父Petionvilleのスピードを入れた配合ですかね。Raise a Nativeのクロスでスピードを強化していますね。それ以上に注目したいのは母父Petionvilleの血統をみるとBuckpasser3×4クロスがあることです。これによりLa Troienneのクロスも成立しますし、サンデーサイレンスとの間では米国スタミナ血統のクロスも成立します。 良い配合ですね。良馬場でのレースを観てみたいですね。


10月29日(日)京都4R ダート1800m 優勝 1:53.9(雨・不良)

マリオ        牡

父:エスポワールシチー
母:ヤマトマリオン
母父:オペラハウス

スタートは良くありませんでしたね。押してポジションを上げることはせず、後方からの競馬になりました。道中もそのままの無理にポジションを上げようとはせず、内ラチを走っていましたね。3,4コーナーでも内ラチ沿いの経済コースを走り、前との差を詰めていました。直線に入ると内にいたこともあり、前が壁になっていました。直線半ばまでまともに追えず、外に持ち出すためにブレーキをかける様子もありましたが、外に持ち出して前が開き追い出すと、反応良く素晴らしい伸びをみせました。一気に前をとらえ抜け出すと1 1/2馬身差をつけて優勝しました。
父エスポワールシチーは多くのダートGⅠを勝った競走馬です。その要因となったのはブライアンズタイムの存在が大きいと思いますが、母ヤマトマリオンを迎え、Never Bend、Bold Reason、AmbiopoiseがいることでTourbillonのクロスが成立し、さらに力強さを強化しています。またSpecialのクロス、ノーザンテースト、GraustarkがいることでHyperionのクロスも成立し、これもスタミナを強化していることになります。このような背景を考えれば、マリオはダート適正が高いと考えます。


10月29日(日)京都5R 芝1600m 優勝 1:39.7(雨・不良)

レッドサクヤ      牝

父:ディープインパクト
母:サクラサク2
母父:デインヒル

スタートは良かったですね。そのまま3,4番手につけてレースを進めていました。そのままレースの流れにも乗り、位置をキープして3、4コーナーをまわり直線に入りました。外目に進路をとり、直線半ばから追い出すと反応良く一気に抜け出して優勝しました。不良馬場でしたがよい瞬発力をみせましたね。
父ディープインパクトに母父デインヒルのスピードを入れた配合ですね。Hail to Reason、Danzig、Mr. Prospectorというスピード血統が入っていますがクロスはありませんね。しかしBurghclereとFlower BowlがいることでHyperionのクロスが成立し、サンデーサイレンスとBuckpasser、Nijinskyがいることで米国スタミナ血統のクロスが成立しスタミナを強化しています。また母サクラサク2にはHis Majesty、Tom Rolfeという単独でも影響を及ぼすRibotの血を引く血統がクロス成立しています。元々のディープインパクト、デインヒルが持つスピードをこれらのスタミナ血統が支える血統背景となっています。距離は1600m~2000mが適正距離ではないでしょうか。

10月29日(日)新潟5R 芝1600m 優勝 1:36.8(雨・重)

ノーブルアース      牝 

父:ハーツクライ
母:ピサノルビー
母父:ブライアンズタイム

スタートは良くもなく悪くもなく中団に位置しましたが、早々にかかってポジションを上げ、3~5番手の位置でレースを進めていました。単独3番手になってからは落ち着いて走っていたと思います。そのまま4コーナーをまわり直線に入りました。直線に入っても余裕がありましたね。直線半ばまで持ったままでしたが、先頭に並ぶ位置まで行くと、そこから追い出しを開始しました。抜け出したあとは後続との差を広げるばかりでしたね。5馬身差をつけて優勝しました。
父ハーツクライに母父ブライアンズタイムの力強さを入れた配合ですね。Hail to Reasonのクロスでスピードを強化しており、サンデーサイレンス、ビユーパーダンス、Robertoの間で米国スタミナ血統のクロスが成立していますし、Northern Dancerのクロスとトニービン、Wishing WellがいることでHyperionのクロスも成立しています。Robertoの血があることで重馬場でも走れたと思いますし、距離は2000mでも問題ないと思います。


未勝利戦

10月29日(日)東京1R ダート1400m 優勝 1:25.9(雨・不良)

ビレッジキング        牡

父:キングヘイロー
母:スパイシーソース
母父:Storm Cat

好スタートから押して先手を主張し逃げの形をとりました。先手を取ってからは自分のペースで逃げれたのではないでしょうか。そのまま直線に入り追い出され1馬身抜け出すと、後続が迫ってきても1馬身の差が詰まることはありませんでしたね。しっかり最後まで走れていたと思います。
相対的にいうと父キングヘイローのスピードに母父キングヘイローのスタミナを入れた配合といえるでしょうか。父キングヘイローはスピード血統のRoyal Chargerを3本持ったことでスピード化したと考えます。そこに母父Storm Catを迎えてさらにNasrullahの血を入れ、Northern Dancerのクロスによりスタミナを強化していると考えます。母母Barbicue Sauceが主流血脈が入らないスタミナ血統なのもよいですね。距離は1600m前後が適正距離と考えますが、初戦で芝レースで3着しているように芝でも走れるのではないでしょうか。


10月29日(日)東京2R ダート1600m 優勝 1:37.3(雨・不良)

ゴライアス       牡

父:ゴールドアリュール
母:ジョウノファミリー
母父:キングカメハメハ

スタート良く、その後のダッシュもつき逃げるフレッシビレの外に馬体を併せ2番手からレースを進めました。3,4コーナーでも同じような位置でまわって直線に入る時には先頭に並んでいました。直線半ばまでは持ったままで内にフレッシビレ、外にジェイエルスピードと馬体を併せていましたが、追い出して鞭が入ると反応良く一気に抜け出しました。あとは突き放すだけでしたね。7馬身差をつけて優勝しました。
父ゴールドアリュールに母父キングカメハメハのスピードを入れた配合でしょうか。Nureyev、Hail to Reasonのクロスがあることでスピードを強化していると考えますが、母母父にブライアンズタイムがいることで、 Nijinsky、サンデーサイレンスと米国スタミナ血統のクロスが成立していますし、ブライアンズタイムのGraustarkとVaguely NobleとでHyperionのクロスが成立してスタミナを強化しています。このような背景もダート適正を高めていると考えます。


10月29日(日)東京3R 芝1600m 優勝 1:39.1(雨・不良)

ミカリーニョ      牝

父:ハーツクライ
母:ミスエーニョ
母父:Pulpit

スタートは良かったですね。ただ積極的におしていくことはなく馬なりに任せ中団からの競馬になりました。そのまま馬込みの中にいれて走っていましたが、落ち着いて入っていたように見えました。3,4コーナーもそのままの位置でまわって、やや追い出しながら4コーナー出口に来ました。直線に入って追い出すとじわじわと伸びてきました。先頭をいくモルフェオルフェがバテた(ソラを使った?)こともありゴール前で差し切ることができました。走りを見る限り重馬場がよさそうな感じはしませんでしたね。
父ハーツクライのスタミナに母父Pulpitのスピードを入れた配合でしょうか。5代目までにクロスはないですね。深部まで見るとHyperionのクロスがありますし、母父父A.P. IndyにはLa Troienneのクロスがあります。サンデーサイレンスとMr. Prospectorの間で米国スタミナ血統のクロスも成立しています。クロスがないといってもこれだけの影響が血統から考えられることは面白いですね。ちなみに半姉にミスエルテ(父Frankel)がいるのですが、Mr. Prospectorの4×5のクロスをもっており、これが早熟性をもたらしたのかな、と考えます。それを考えるとミカリーニョのクロスがない血統背景ではどうのような成長過程をたどるのか興味深いところですね。


10月29日(日)京都1R ダート1400m 優勝 1:26.0(雨・重)

メイショウオーパス       牡

父:メイショウボーラー
母:マンハッタンミート
母父:マンハッタンカフェ

スタートは良くありませんでしたが、その後のダッシュよく先団につけました。しかし速いと感じたのか、掛かりそうだったのか幸英明騎手は少し抑えましたね。道中は中団からの競馬になりました。3コーナー過ぎから押してポジションを上げていきましたね。4コーナー出口では先団を射程圏内に入れていました。直線で外に出すと手ごたえ抜群で、持ったまま前との差を詰めていきました。そのまま先頭に抜け出すと鞭を使わず2着コラードに2 1/2馬身の差をつけて優勝しました。
父メイショウボーラーのスピードに母父マンハッタンカフェのスタミナを入れた配合でしょうか。Haloのクロスによりスピードを、Nijinskyのクロスによりスタミナを強化していますね。なにより HaloとNijinskyの間で米国スタミナ血統のクロスが成立しますね。また深部ではHyperionのクロスが、さらに深部ではTourbillonのクロスも成立していますね。父メイショウボーラーは芝、ダート両方で活躍した競走馬です。1600mまでなら芝でも問題ないかもしれませんね。



10月29日(日)京都2R ダート1200m 優勝 1:12.5(雨・重)

タガノヒバナ        牡

父:ノヴェリスト
母:シャイニンバイパー
母父:Smart Strike

スタート良く先頭に立ちましたね。内からメイショウダブルが前にいったので、その後ろに控える形になりました。道中やや行きたがる面も見えましたが、何とか抑えて2番手のまま4コーナーをまわりました。直線に入って追われるとじわじわと脚を伸ばしました。先頭を行くメイショウダブルを抜くとそのまま1 3/4馬身差をつけて優勝しました。最後の直線では追っただけで鞭は使っていないように見えました。
父ノヴェリストのスタミナに母父Smart Strikeのスピードを入れた配合ですね。Mosellaとシャイニンレーサー、Northern Dancerの間などでHyperionのクロスが成立していますね。Nijinsky、Mr. Prospector、サンデーサイレンスの間で米国スタミナ血統がクロスしています。スタミナ優位の競走馬だと思うので、もっと距離が延びてもよいと思います。


10月29日(日)京都3R 芝1800m 優勝 1:52.6(雨・重)

バトルガラクシア       牝

父:キングヘイロー
母:ライジングフラッグ
母父:ラムタラ

スタートは良かったですね。3~5番手の馬込みの中からレースを進めました。道中も流れに乗って走っていたと思います。3,4コーナーでも落ち着いて走っていましたし、内にスペースができたのを認識しインを突いて直線に入りました。インを突いて追い出され脚を伸ばしましたね。しっかり伸びていたと思いますし、メイショウハニーに最後詰め寄られましたが、インを突いてたことも功を奏したのだと思いますが最後まで粘りこみましたね。
父キングヘイローのスピードに母父ラムタラのスタミナを入れた配合でしょうか。Sir Gaylordのクロスがあることでスピードとスタミナが強化されていますし、Hail to Reasonとの間ではRoyal Chargerのクロスが成立してスピードを強化していますね。またNumbered AccountがいることでBuckpasserのクロスも成立していますし、さらにHalo、Nijinsky、Mr. Prospectorがいることで米国スタミナ血統がクロスしていることになります。Private Colorsの重石がどの程度影響をもたらすかがポイントになりそうです。


10月29日(日)新潟1R ダート1200m 優勝 1:12.8(雨・稍重)

アプローズ      牝

父:Acclamation
母:ワンダーフィリー
母父:Invincible Spirit

スタートは良かったですね。またその後のダッシュもよく最内枠ということも活かして逃げる展開になりました。そのまま単騎での逃げになり3,4コーナーもそのまま逃げて先頭に立ったまま直線に入りました。直線に入って半ばまでは持ったままでしたが、追われてからもしっかり入っていたと思います。最後は詰め寄られましたが押し切った形ですね。
父Acclamationは欧州の短距離で活躍した競走馬ですね。GⅠ勝ちはありませんが、GⅡのダイアデムSに優勝しています。母父Invincible Spiritも短距離で活躍した競走馬なのでアプローズにはもちろんスピード馬のイメージがつくと思いますが、注目はTourbillonのクロスです。深部になりますがTourbillonの血を持つ馬が多くみられており、クロスを成立させています。こうなるとダート適正が高まるかな、と思います。距離は1200m~1400mが適正距離だと考えます。


10月29日(日)新潟2R ダート1200m 優勝 1:12.3(雨・稍重)

モアイ      牡

父:サウスヴィグラス
母:ラパヌイ
母父:アフリート

スタート良く、先団の好位2,3番手の外につけてレースを進めました。そのままの位置でレースを進め、4コーナー出口では先頭を行くサノノタテヤマに並んでいましたね。直線半ばで追い出すと一気に抜け出して2着クリムズンフラッグに3馬身差をつけて優勝しました。完勝でしたね。
父サウスヴィグラスはダートの短距離で活躍した競走馬でした。相対的にいうと父サウスヴィグラスに母父アフリートのスタミナをいれた配合といえます。深部ではNasrullahのクロスが多く成立してスピードを強化していますが、Mr. Prospectorのクロスがあることでもスピードが強化されています。しかし気になるのはこのMr. Prospectorのクロスにより早熟性が高まらないか、ということです。完成度の高さでどこまで行けるかというところでしょうか。



参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

0 件のコメント:

コメントを投稿