2017年9月25日月曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㉜ 9月23日(土)勝ち上がり馬

「久しぶりに競馬場に行きたいな…」

今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。9月23日(土)のレースです。

9月23日(土)中山5R 芝1600m 優勝 1:36.8(曇・稍重)

グランドピルエット     牝 

父:ロードカナロア
母:ザレマ
母父:ダンスインザダーク

スタート良く先団につけました。行きたがっていましたが、田辺裕信騎手がうまく抑えて5番手からレースを進めました。3コーナーから4コーナーにかけて徐々に進出し、直線に入る時には前をとらえる位置にいました。追われてからの反応もよく、抜け出して余裕をもって優勝しました。
血統的には父ロードカナロアのスピードに母父ダンスインザダークのスタミナを入れた配合ですね。4分の3同血で兄でもあるミッキーオリビエ(父キングカメハメハ)は1600m~2000mを走って成績を残していました。それを考えると父にロードカナロアを迎えることで距離適性は1600m前後になるかと考えます。しかし父ロードカナロアを迎えたことで一番の注目は父母母サラトガデューの血脈です。ほとんど主流血脈が入っていない血統背景ですが、その血の存在が主流であるMr. Prospectorの血やNorthern Dancerの血を際立たせるのではないかと考えます。父ロードカナロアの種牡馬としての魅力は現役時代の成績もですが、キングカメハメハにはないこのあまり知られていない血脈が含まれていることも魅力だと考えます。

9月23日(土)阪神5R 芝1200m 優勝 1:10.9(曇・良)

トンボイ       牝

父:アドマイヤマックス
母:ショウナンアオバ
母父:キングカメハメハ

スタート良く先頭に立ちました。積極的に逃げようとする馬もおらず、そのまま逃げる形になりましたね。速いペースでもなくマイペースで逃げていたと思います。直線に入っても余裕がありましたね。直線半ばまではほぼ持ったままで、追いだしてからもしっかり反応していました。展開が向いたところもありますが完勝でした。
父アドマイヤマックスに母父キングカメハメハのスタミナが入った配合ですね。こちらも主流血脈だけはない血統背景に好感が持てますが、課題はスピードでしょうか。父アドマイヤマックスのスピードは引き継がれていると思いますが、より効果をだすためにHaloやMr. Prospectorのクロスがあったらよかったかな、と思います。


未勝利戦

9月23日(土)中山1R ダート1800m 優勝 (・)

ユイノシンドバッド      牡

父:モンテロッソ
母:マドリガルスコア
母父:ダンスインザダーク

スタート良く先団につけることができました。吉田豊騎手も好位につけようと意識していたのか、やや押しながら好位をキープする様子も見られました。早め3コーナーから進出を始めて4コーナー半ばではニシノラヴコールと並んで先頭に立っていましたね。直線に入って追い出すとスッと抜け出しました。そのまま後続との差が詰まることなく2馬身差をつけて優勝しました。
父モンテロッソはドバイワールドCに優勝した競走馬ですね。母父ダンスインザダークのスタミナが入った配合です。スピード血統以上に欧州系のスタミナ血統が目につく感じです。今回ユイノシンドバッドは芝からダートに変えて優勝していることからも、力のいる馬場をこなすスタミナがある馬だと考えます。今後もダートが主戦となるかもしれませんね。


9月23日(土)中山2R 芝1200m 優勝 1:09.9(曇・稍重)

ヴェルスパー      牝

父:ロードカナロア
母:ヴェルザンディ
母父:アグネスタキオン

スタートはあまりよくありませんでしたが、その後のダッシュよく3番手につけました。やや行きたがる様子をみせていましたが、吉田隼人騎手がうまく抑えていましたね。3コーナーから4コーナーにおいてもそのまま3番手をキープしながら外から先頭をいく2頭に並びかけるような形で直線を向きました。追い始めると反応良く伸びましたね。粘るミントグリーンに3/4馬身抜け出して優勝しました。
血統をみると父ロードカナロアに母父アグネスタキオンのスタミナを入れた配合ですね。アグネスタキオンのスタミナといってもどちらかといえばスピードが勝る競走馬だったのでロードカナロアと比較するとスタミナ系ということになります。事実アグネスタキオンの血統をみるとHaloやNasrullahの血が入っています。またそれを支えるスタミナ血統もバランスよく配合されています。母母ウインドインハーヘアはスタミナ血統になるのでロードカナロアのスピードを支える下地は大いにありますね。この配合なら距離が伸びても問題ないと思います。


9月23日(土)中山3R 芝1800m 優勝 1:49.4(曇・稍重)

ゴーフォザサミット      牡

父:ハーツクライ
母:ラグジャリー
母父:Storm Cat

スタートはあまりよくありませんでしたね。のっそりとスタートしました。蛯名正義騎手が押していきましたが、それが効いたというよりは内枠だったことが功を奏して中団からの競馬になりました。馬込みに入っての競馬でしたが落ち着いていましたね。4コーナーをまわりながらうまくスペースを見つけて、そこから外に出して直線に入りました。追い始めてからの反応と伸びは良かったですね。一頭だけ伸びが違っていました。直線半ばで先頭をとらえると2 1/2馬身差をつけて優勝しました。
父ハーツクライに母父Storm Catのスピードを入れた配合ですが、母母Alleged Devotionの血統は現在主流でない血が多く含まれており、主流血脈を際立たせるにはよいのではないでしょうか。兄に重賞ウイナーでGⅠでも好走していたショウナンマイティ(父マンハッタンカフェ)がおり、主に1600m~2000mで活躍をしていました。4分の3が同じ血統で異なるのは父母の血統です。ゴーフォザサミットはこの違いでNorthern Dancerのクロスが成立しており、ショウナンマイティはAllegedのクロスが成立していました。この違いがどう出るのか注目したいところですが、現在のスピード優位の競馬ではゴーフォザサミットの方がスピード能力は勝っているように考えますし、ショウナンマイティ以上の活躍も期待できるのではないでしょうか。

9月23日(土)阪神1R ダート1800m 優勝 1:54.7(晴・稍重)

ビッグスモーキー      牡

父:キングカメハメハ
母:スモークンフローリック
母父:Smoke Glacken

スタートはよかったですね。外枠だったので1コーナーのコーナーリングはは外からでしたが、うまく周って5番手からレースを進めることができました。そのまま流れに乗っていたと思いますし、3コーナー過ぎから進出をはじめ、4コーナー出口ではすでに捲り気味に先頭に立っていました。直線に入ってからは後続を突き放すだけの競馬でしたね。5馬身差をつけてゴールしました。
姉にダートで活躍したワイルドフラッパー(父Ghostzapper)がいます。また兄スモークフリー(父ディープインパクト)は芝のレースを主戦としており、配合により芝でもダートでも走れる血統なのだと考えます。父キングカメハメハはダートの活躍馬も出していますが、クラシック系の芝に対応する産駒を多く出していますので、今回ダートでのレースでしたが、芝でも対応はできると考えます。血統をみても芝でも問題なさそうな感じはしますね。


9月23日(土)阪神2R 芝1600m 優勝 1:35.9(晴・良)

サヤカチャン       牝

父:リーチザクラウン
母:アップルトウショウ
母父:アンバーシヤダイ

ポンッとスタートダッシュよく先頭に立ちました。積極的に逃げる馬もおらずやや脚をためながら逃げることができましたかね。直線に入ってから半ばまでは持ったままでしたが、追い出してからの反応もよく完勝だったと思います。
父リーチザクラウンのスピードに母父アンバーシヤダイのスタミナを入れた配合でしょうか。ただ父父スペシャルウィークということを考えれば、父リーチザクラウンをそれほどのスピード馬ととらえることはできないと思います。距離は2000mでも問題ないと思いますが、スピードの持続力を発揮する形のレースが良いように思います。


9月23日(土)阪神3R 芝1800m 優勝 1:48.2(曇・良)

マイスターシャーレ      牡

父:ディープインパクト
母:ウィステリアアーチ
母父:キングカメハメハ

スタート良く5番手から前をみる位置で競馬を進めることができました。前が速かったのか、やや下げたのか道中はやや下がったように見えましたが、4コーナーに入るあたりから徐々にポジションを上げに行き、直線に入るときには外に出して追い出しました。追い出すだけで直線半ばですでに先頭をとらえ、外からムーンレイカーに追い込まれましたが、鞭を入れ体を併せられると勝負根性を発揮し、クビ差抑えて優勝しました。
父ディープインパクトに母父キングカメハメハと現在の日本の主流な配合になっていますね。Northern DancerとSir Ivorのクロスが成立しておりスタミナも問題なく、クラシックディスタンスでも走れるでしょう。



参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

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