2017年10月30日月曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㊸ 10月28日(土)勝ち上がり馬


今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。10月28日(土)のレースです。

10月28日(土)東京4R ダート1400m 優勝 1:25.0(曇・良)

プロミストリープ      牝 

父:ヘニーヒューズ
母:プロミストスパーク
母父:フジキセキ

スタートは普通でしたがその後のダッシュがつかず、押してポジションを取りに行きました。外目の3番手に位置して3,4コーナーをまわりそのまま先頭をいく2頭の1馬身後ろに位置して直線に入りました。直線に入ると余裕たっぷりに前との差を詰め、並びかけてから追い出すと一気に抜け出しました。その後は後続との差を広げるばかりでしたね。9馬身差をつけて優勝しました。完勝ですね。
父ヘニーヒューズのスピードに母父フジキセキのスタミナを入れた配合でしょうか。 Raise a Nativeのクロスでスピードを強化していますね。母側にMr. Prospector、サンデーサイレンス、Nijinskyがいることで米国スタミナ血統がクロスしています。またNorthern DancerとノーザンテーストがいることでLady Angela(父Hyperion)のクロスが発生しており、スタミナを強化しています。こう考えるとダートでも走れる背景はあると思いますが、芝でも走りもみてみたいですね。


10月28日(土)東京5R 芝1600m 優勝 1:35.5(曇・良)

リリーノーブル        牝

父:ルーラーシップ
母:ピュアチャプレット
母父:クロフネ

スタートは良かったですね。そのまま馬なりで内をみながらポジションを下げましたね。好位4,5番手につけましたが道中は行きたがる面も見せていましたね。内田博幸騎手がうまくなだめてレースを進めていたと思います。掛からないことを優先していたせいか、4コーナーをまわるときには先団にいながらも7,8番手の位置にいました。直線に入ってから外目に進路をとり追い出すと反応良く、というか解放されたという感じで一気に抜け出しました。そのままバテることなく3 1/2馬身差をつけて優勝しました。
父ルーラーシップに母父クロフネの力強さを入れた配合ですかね。ルーラーシップは元もスタミナが勝った血統背景と考えていますが、そこにスピードではなく力強さをいれたばかりでなく、ノーザンテーストのクロスがあることでLady Angela(父Hyperion)が4本あることになり、さらにスタミナを強化しています。中長距離が主戦場となりそうですね。


10月28日(土)京都4R ダート1200m 優勝 1:13.0(曇・重)

ロードエース       牡

父:エーシンフォワード
母:エーシンパナギア
母父:エイシンサンディ

スタートは良かったですが、やや伸びあがったようなスタートでしたかね。その分ダッシュがつきませんでしたが、押して先頭に立った後2番手に抑えました。3,4こーなをまわるときにも前を射程圏内にいれたまま2番手を走り、4コーナーを出る時には先頭に並びかけていましたね。直線に入って追われると抜け出しましたが、後ろからペルペトゥオに追われる展開になりました。きつい展開だったとは思いますが、最後まで抜かせることはなかったですね。1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父エーシンフォワードはマイルCS(GⅠ芝1600m)に優勝したマイラーですね。そこに母父エイシンサンディのスタミナを入れた配合でしょうか。Storm Catのクロス、Hail to Reasonのクロスによりスピードを強化していますし、 Secretariat、Secrettame(父Secretariat)、RivermanがいることでNasrullahとPrincequillo組のクロスが成立してスピードとスタミナを強化しています。適正距離は1600m~1800mという感じがしますが、芝でも走れるのではないでしょうか。


10月28日(土)京都5R 芝1800m 優勝 1:50.6(曇・稍重)

スーパーフェザー      牡 

父:ディープインパクト
母:オーサムフェザー
母父:Awesome of Course

スタートは普通でしたね。そのまま中団外目につけてレースを進めました。3コーナーに入るあたりから押してポジションを上げていきましたね。それでも4コーナー出口ではまだ前との差はある感じでした。直線に入って外に出して追い出すと反応良く伸びて一気に前をとらえました。最後は余裕を持っていたので少し詰め寄られましたが、クビ差先着することができました。
父ディープインパクトに母父Awesome of Courseのスタミナを入れた配合でしょうか。Lyphardのクロスがあることでスピードを強化しているといえます。Lyphardの産駒にはクラシックディスタンスも走れる競走馬が多く考えれば、スタミナも強化されているといってもよいかもしれません。血統を全体的にみるとHail to Reason、Northern Dancer、Blushing Groom、Mr. Prospectorと現在主流血脈とする血統がすべて含まれている感じですが、注目はBurghclere、Last Featherという主流血脈を含まない血統でしょうか。この2つの血統によりHyperion、Donatelloのクロスが成立しており、スタミナを強化しています。このような主流血脈でない血統が、主流血脈の特性を支えることになるのですが、Lyphardのクロスがあることを考えるとNorthern Dancer系の特徴が強く出る可能性があるでしょうか。


未勝利戦

10月28日(土)東京1R ダート1400m 優勝 1:26.7(曇・良)

イサチルルンルン        牝

父:パイロ
母:テンセイフジ
母父:ハウスバスター

スタート良く好位の外3、4番手につけることができましたね。3,4コーナーも外目をまわり4コーナー出口では先頭に並ぶ位置にいました。直線に入ってから半ばまでは持ったままで先頭に並んでいましたが、追い出すとじわじわと脚を伸ばし抜け出しました。外からリードザウインドが迫ってきましたが、最後まで粘りこんで優勝しました。
父パイロ、母父ハウスバスターともスピードのある馬ですね。Nasrullahのクロスも深部で成立していますね。この血統で特徴として挙げたいのはTourbillonです。A.P. Indy、Big Dreams、シンボリルドルフ、オトギバナシにこのTourbillonの血が流れておりクロスが成立しています。NasrullahのスピードをTourbillonのクロスで強化したスタミナで支えています。よく考えられている血統だと思います。今回の走りを見る限り1600mまでが適正距離でしょうか。


10月28日(土)東京2R 芝1600m 優勝 1:35.1(曇・良)

アンブロジオ       牡

父:ローズキングダム
母:アンティフォナ
母父:Songandaprayer

スタートは良かったですね。先団にはつけていましたが、外枠からの発走だったので内をみながらレースを進めていました。内の馬とは離れた外をまわっていたのですが、3コーナーに入るときに内によるとやや掛かり気味になり一気に3番手まで上がっていきましたね。そのため鞍上のC.ルメール騎手も押さえて3番手をキープしていました。4コーナー出口では先頭を射程圏内にいれて直線に入りました。直線半ばから追われると脚を伸ばししっかり前をとらえて、2馬身の差をつけて優勝しました。切れるというよりは長く良い脚を使うタイプでしょうか。
父ローズキングダムのスタミナに母父Songandaprayerのスピードを入れた配合でしょうか。母父SongandaprayerにはRaise a Nativeクロス、Nasrullahのクロスがありスピード血統になっていると思います。それに父ローズキングダムにもあるNasrullahともクロスをつくり、3/4同血Royal Chargerもいることでスピードを強化していますね。父ローズキングダムは2歳時には朝日杯フューチュリティS(GⅠ芝1600m)に優勝したスピードを持ち、3歳時にはジャパンC(GⅠ芝2400m)に優勝したスタミナも持っています。母アンティフォナはスピード優位の血統背景となっているので、適正距離は1600m~2000mではないでしょうか。


10月28日(土)東京3R 芝2000m 優勝 2:03.4(曇・良)

ジェネラーレウーノ      牡

父:スクリーンヒーロー
母:シャンハイロック
母父:ロックオブジブラルタル

スタート良く先頭に立ちましたね。積極的に逃げるという感じではなく、仕方なく逃げたという感じですね。そのまま単騎で逃げる形になりましたがやはりというか前半1000m1.04.01とスローな流れになりました。こうなると前残りのレースになりますね。直線に入ると余力十分な感じで、追われるとしっかり足を伸ばしました。後続から追ってくる馬もなく、2着アイリッシュクライに2馬身の差をつけて優勝しました。逃げたにもかかわらずらラスト3F34.1秒と最速での上りになったところ、力があるということをしめしたのではないでしょうか。
父スクリーンヒーローのスタミナに母父ロックオブジブラルタルのスピードを入れた配合でしょうか。DanzigのクロスとHail to Reasonのクロスによりスピードを強化し、His Majestyのクロスでスタミナを強化しています。 ここで注目したいのがDanzigのクロスとHis Majestyのクロスを成立させているAmerifloraとデインヒルの存在です。どちらもジェネラーレウーノの3代目にいるのですが、3/4が同じ血統になっています。残り1/4の血統にAmerifloraにはSwaps(父父Hyperion)が、デインヒルにはBuckpasserがいます。これによりノーザンテーストとHyperionのクロスをつくることになり、サンデーサイレンスやRobertoと米国スタミナ血統のクロスが成立します。すごく面白い血統になっていると思いますが、主流血脈が主なのが気になる点ですね。


10月28日(土)京都1R ダート1800m 優勝 1:53.9(雨・重)

コマビショウ       牡

父:エンパイアメーカー
母:サウンドバイト
母父:ホワイトマズル

スタートは普通でしたね。ダッシュがつきませんでしたが、押して中団までポジションを上げ、内枠を活かし1コーナーのコーナーリングで好位3,4番手につけてレースを進めました。ポジションが落ち着いてからは流れに乗って走っていたと思います。コーナーリングがうまいのか、3,4コーナーでも3番手に変化はありませんでしたが前との差をつめ、4コーナー出口では先頭を射程圏内にいれて直線に入りました。直線に入って先頭を行くシゲルホウレンソウの内のスペースに突っ込んで追われると、反応良く一気に抜け出しましたね。あとは後続との差を広げるばかりで8馬身差をつけて優勝しました。強い内容だったと思います。
父エンパイアメーカーに母父ホワイトマズルの力強さを入れた配合ですかね。父エンパイアメーカーはMagicとSex AppealがいることでBuckpasserのクロスが成立しています。
これによりLa Troienneのクロスと米国スタミナ血統のクロスが成立しています。またkの米国スタミナ血統をもつIn Realityのクロスもあり、これらの影響が父エンパイアメーカーにでてダートでの活躍をもたらしたのだと考えます。この血統背景に母父ホワイトマズルのHyperionやDonatelloという欧州のスタミナ血統のクロスが追加され、さらに力強さを加えたと考えます。連闘での芝からダート変わりという厳しい条件だったと思いますが、今回のレースからもやはり主戦場はダートになるのではないでしょうか。


10月28日(土)京都2R 芝1400m 優勝 1:24.3(雨・稍重)

 ロードラナキラ       牡

父:ロードカナロア
母:エンジェリックレイ
母父:ダイワメジャー

やや立ち上がりながら立ち遅れてスタートしましたかね。中団後方からの競馬になりました。道中も落ち着いて走っていたと思います。3,4コーナーにかけて徐々に進出しながら直線に入りました。直線では外に持ち出して追い出すと良い反応を見せましたね。しかし内に行こうとしてまっすぐに走っていませんでしたね。M.デムーロ騎手も内に行かないよう右鞭で追っていました。クビ差差し切っての優勝でしたが、まっすぐに走っていればもっと余裕をもって勝っていたと思います。
相対的に言って父ロードカナロアのスピードに母父ダイワメジャーのスタミナを入れた配合といえるでしょうか。Mr. ProspectorのクロスやHaloのクロスがあることでスピードを強化していますね。また母エンジェリックレイのノーザンテーストと父ロードカナロアのNorthern DancerがいることでHyperionのクロスが成立しています。適正距離は1600m前後ではないでしょうか。


10月28日(土)京都3R 芝2000m 優勝 2:05.6(雨・稍重)

ケイティクレバー       牡

父:ハービンジャー
母:モルトフェリーチェ
母父:ディープインパクト

スタートは良い方でしたね。それ以上にスタート後のダッシュが良く、内枠ということもありすんなり逃げる形になりました。少し行きたがる様子もあったのか鞍上の小林徹弥騎手も抑えていたように見えます。しかし、前半1000m1.04.08というスローな流れでしたので、あえて小林徹弥騎手がスローに落とすために抑えたのかもしれませんね。単騎で逃げたまま内ラチ沿いを走り直線に入りました。直線に入ってから追われると後続との差を広げるばかりでしたね。4馬身差をつけて優勝しました。
父ハービンジャーのスタミナに母父ディープインパクトのスピードを入れた配合でしょうか。父ハービンジャーのスタミナはHyperion、Donatelloという欧州のスタミナ血統のクロスがあることが血統背景としていえると思います。ここに母父ディープインパクトを迎えることで、さらに同様のクロスが発生し強化していると考えます。あとは深部にあるHail to ReasonやNasrullahのクロスがどの程度スピードを強化するかが課題になると思います。ハービンジャー産駒ということで稍重の馬場も味方したのかもしれません。


10月28日(土)新潟2R ダート1800m 優勝 1:55.4(曇・良)

マイネルサリューエ      牡

父:ネオユニヴァース
母:エーピーサルート
母父:エーピーダンサー

スタートは良かったと思います。積極的に前に行くことはなく、後方からの競馬になりました。向正面に入ると徐々にポジションを上げていきましたね。3コーナー手前ではすでに先団につけていましたね。一旦スピードを緩めたようにみえましたが、3,4コーナーをまわりながら再度ポジションを上げ、4コーナー出口では先頭から1馬身後ろの位置にまで上がっていました。直線に入って追われるとしぶとく伸びました。内にショウナンマリブと馬体を併せてたたき合いになりましたね。最後はクビ差抜け出して優勝しました。
父ネオユニヴァースのスタミナに母父エーピーダンサーのスピードを入れた配合でしょうか。父母ポインテッドパスと母父エーピーダンサー、父父母Wishing Wellの間でHyperionのクロスが多くみられますね。課題はスピードだと思いますがMr. Prospectorのクロスで強化しています。これがどのくらい影響をもたらすかが課題だと思いますが、今回のレースを観る限りスタミナ優位だと思います。


10月28日(土)新潟5R 芝1400m 優勝 1:22.7(曇・良)

モデレイト       牝

父:ダノンシャンティ
母:ヒシカルメン
母父:ロックオブジブラルタル

出遅れましたね。しかしダッシュよく中団の外につけることができました。その後向正面の間に一気にポジションを上げて2番手の位置で3コーナーに入りました。そのまま4コーナーに入り押しながら直線に入りました。直線に入って追われると内に逃げたベルウッドキングと馬体を併せてたたき合いになりました。最後は競り勝ち 1 1/4馬身差をつけて優勝しました。スタミナにものをいわせた勝利でしたね。
父ダノンシャンティに母父ロックオブジブラルタルのスピードを入れた配合ですね。Haloのクロスでスピードを強化していますし、深部ではHyperionのクロスやLa Troienneのクロスもありスタミナも強化しています。適正距離は1600m前後でしょうか。


10月28日(土)新潟6R 芝1800m 優勝 1:48.6(曇・良)

 ナラトゥリス      牝

父:ルーラーシップ
母:イストワール
母父:サンデーサイレンス

スタートは良かったですが、積極的に前に行くことはなかったですね。外枠ということもあったのでしょうが、馬なりで行き中団の外につけました。道中も流れに乗って入っていたと思います。3,4コーナーでも外をまわり直線に入りました。直線半ばから追われると反応良く脚を伸ばしました。先頭に抜け出してからもバテることなく最後まで走り2馬身s名をつけて優勝しました。
父ルーラーシップのスタミナに母父サンデーサイレンスのスピードを入れた配合といえるでしょうか。Hail to Reasonのクロスでスピードを強化していますし、深部では米国スタミナ血統のクロスやHyperionのクロスもみられています。距離は2000m以上でも問題ないと思います。思ったより切れ脚があるな、という印象を受けました。



参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

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