2017年11月9日木曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㊼ 11月5日(日)勝ち上がり馬


今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。11月5日(日)のレースです。

11月5日(日)東京4R ダート1600m 優勝 1:41.2(晴・良)

エピックアン      牡 

父:クロフネ
母:ラフェクレール
母父:スペシャルウィーク

スタートは良かったですが、掛かりそうになったのか、それとも立ち上がりそうになったのかわかりませんが、一旦下げましたね。それでも好位からレースを進めることができました。道中は4番手の外に位置して走っていました。3,4コーナーでは先頭に4頭が横並びになる感じでまわってきましたね。エピックアンはその4頭の一番外をまわって直線に入りました。直線半ばまでは手ごたえ良く先頭に並んで走っていましたね。直線半ばからは内にワークアンドラブと馬体を併せてたたき合いになりました。最後はクビ差抜け出して優勝しました。
父クロフネの力強さに母父スペシャルウィークのスタミナを入れた配合ですかね。父クロフネはSpeak JohnとNever Bendの間でTourbillonのクロスが成立してスタミナが強化されていますね。またNever Bendと母側にあるマルゼンスキーの母シルとの間ではLa Troienneのクロスが成立してパワーが強化されています。母ラフェクレールはセントクレスピンやノーザンテーストの間でHyperionのクロスが成立してスタミナを強化していますし、父クロフネにもNorthern DancerがいることでHyperionの血がさらにクロスされています。他にもPrincequilloのクロスがみられおりスタミナを強化していますね。このような背景からするとやはりダート適正が高いと思われます。距離は延びても問題ないでしょう。


11月5日(日)東京5R 芝1400m 優勝 1:23.6(晴・良)

ハトホル        牝

父:モンテロッソ
母:フローズンムーン
母父:アドマイヤムーン

スタートは良かったと思います。外目の中団につけてレースを進めました。道中は外からアリディブリラーレが上がっていくとやや掛かる様子も見られましたが、吉田隼人騎手が抑えるとその後は落ち着いて走っていたと思います。3,4コーナーでは大きくポジションが変わることもなく外をまわりながら直線に入りました。直線に入って外から追われると良い反応をしめし、前との差をどんどん縮めていきました。最後までバテることなく走りゴール前ではクビ差とらえて優勝しました。
父モンテロッソのスタミナに母父アドマイヤムーンのスタミナを入れた配合でしょうか。Seeking the GoldのクロスがあることでMr. Prospectorクロス、La Troienneのクロスが成立しています。さらに母母Tee KayにはLa Troienneの血を引くMy CharmerやBlue Eyed Momoがおり、さらなるスタミナ強化をしています。今度は父モンテロッソに目を向けるとShirley Heights、Sadler's Wells、AntelliereといったTourbillonの血を引いた馬がおりスタミナを強化していることがわかります。Seeking the Gold含むMr. Prospectorクロスによりスピードを強化したうえでこのような血統背景がみられます。面白い血統だな、と思いますし、距離は2000mでも問題ないのではないでしょうか。


11月5日(日)東京6R 芝1800m 優勝 1:52.0(晴・良)

シナモンフレイバー        牡

父:ディープブリランテ
母:サンフラワーガール
母父:タイキシャトル

スタートは一番良かったですかね。ダッシュもよくそのまま逃げる形になりました。道中はスローでの逃げでしたね。前半1000mが1.05.5という流れをつくり自身に有利なペースをつくりました。遅いペースでもとくに掛かる様子もなく自分のペースで走っていたと思います。そのまま3,4コーナーも先頭でまわり直線に入りました。直線に入っても余裕がありましたね。後続からくる馬もなく、余裕をもってゴールしました。完勝だったとは思いますが、もう少し早いペースでのレースが観てみたいですね。
父ディープブリランテのスタミナに母父タイキシャトルのスピードを入れた配合でしょうか。Haloクロスによりスピードを強化していますし、Lyphardのクロスによりスタミナも強化していますね。また深部ではありますが、RivermanとDevil's Bagの間でLa Troienne
クロスも成立しています。距離は2000mが適正距離ではないでしょうか。

余談ですが、ちゃしぶ的にディープブリランテは強い馬を多く出すのではないかと考えています。そのポイントとなるのがラヴアンドバブルズです。このラヴアンドバブルズにはTourbillonやLa Troienneといったスタミナを強化する血が多く含まれています。この血を活かす配合ができれば中距離で活躍する産駒が多く出るのではないかと考えています。


11月5日(日)京都5R 芝2000m 優勝 2:03.9(晴・良)

スラッシュメタル      牡 

父:ワークフォース
母:ゼマティス
母父:ゼンノロブロイ

スタートはそんなに良くありませんでしたね。それでも道中は中団の外につけてレースを進めました。掛かる様子もなくリズムよく走っていたと思います。3,4コーナーでは徐々に前との差を詰め、4コーナー出口では前を射程圏内に入れていましたね。直線に入り追われると反応良く一気に抜け出してそのままゴールしました。瞬発力が良い馬ですね。
父ワークフォースのスピードに母父ゼンノロブロイのスタミナを入れた配合でしょうか。といってもワークフォース十分なスタミナ血統を持っています。Mr. Prospectorのクロス、Nureyevのクロスでスピードを強化しています。またSadler's Wellsとマイニングの間でLa Troienneのクロスが成立しスタミナを強化していますし、Sadler's WellsとHoist the Flag、またAhonooraの間ではTourbillonのクロスが成立してこれもスタミナを強化しています。スピードがどれほど強化されるかにもよりますが、全体的には長距離でもバテずに走れそうな血統背景だと思います。


11月5日(日)京都6R 芝1400m 優勝 1:22.2(晴・良)

サウンドキアラ      牝 

父:ディープインパクト
母:サウンドバリアー
母父:アグネスデジタル

スタートは普通でしたね。積極的に前に行こうとはせず中団からの競馬になりました。道中は徐々にポジションを上げ、3コーナー前では先団後方につけることができました。そのまま3,4コーナーでは外をまわって前との差をつめて直線に入りました。直線に入って追われると反応良くすぐに先頭に立ち抜け出しましたね。
父ディープインパクトのスタミナに母父アグネスデジタルのスピードを入れた配合でしょうか。5代目までにクロスはないですが深部ではHyperionのクロスが成立していますね。またMr. Prospectorとサンデーサイレンスの間で米国スタミナ血統のクロスが成立しています。距離は1600m~1800mくらいが適正距離でしょうか。


未勝利戦

11月5日(日)東京1R ダート1600m 優勝 1:39.8(晴・良)

トキノパイレーツ        牡

父:モンテロッソ
母:エルサフィール
母父:タヤスツヨシ

スタートは良かったですね。そのまま好位につけてレースを進めました。道中は2,3番手につけてリズムよく走っていたと思います。3,4コーナーでは先頭を行くハッスルボーイに並びかけながらまわってきて、直線に入りました。直線に入って持ったまま先頭に立ちました。直線半ばから追われると力強く抜け出しました。最後までしっかり走って2着エルティグレに1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父モンテロッソのスタミナに母父タヤスツヨシのスピードを入れた配合でしょうか。しかし先ほどもいったように父モンテロッソもスタミナ十分な血統背景なので全体的にはスタミナ寄りだと思います。母エルサフィールにはBuckpasserのクロスがありすでにLa Troienneのクロスが成立していますが、父モンテロッソにあるSadler's WellsやAntelliereにもLa Troienneが入っておりここでもクロスが成立しています。またSadler's WellsとDamascusの間でTourbillonのクロスが成立してこれもスタミナを強化していると考えます。これだけLa Troienne後が入っているとダート適正も高くなるので、今回ダート戦に変更したのは良い判断だったといえますね。


11月5日(日)東京2R ダート1300m 優勝 1:20.4(晴・良)

アメリカンファクト       牡

父:Speightstown
母:Missamerica Bertie
母父:Quiet American

スタートは普通でしたが、ダッシュが良く好位につけることができました。道中は3番手につけてレースを進めていましたね。3,4コーナーではその位置をキープしてまわってきました。直線に入って追い出すとジワジワと脚を伸ばして、直線半ばで先頭に立ちました。そのままバテることなく最後まで一生懸命に走り、2着トーセンスティールに1 3/4馬身差をつけて優勝しました。
相対的に言って父Speightstownのスピードに母父Quiet Americanのスタミナを入れた配合でしょうか。Mr. Prospectorのクロス、Secretariatのクロス、Dr. Fagerのクロス、Bold Rulerのクロスと多くのクロスがあります。Mr. ProspectorやBold Rulerのクロスでスピードを強化していますが、その中でもDr. FagerのクロスによりLa Troienneのクロスが成立していることに注目ですね。BuckpasserがいることでさらにLa Troienneの血が追加されよりクロスの影響を強くしていると考えます。これによりダート適正が高くなっていると思いますし、スピード血統のクロスも多いのでダートの1200m~1600mが適正距離だと考えます。


11月5日(日)東京3R 芝1600m 優勝 1:34.9(晴・良)

ライレローズ      牝

父:ディープブリランテ
母:ヴィアンローズ
母父:Sevres Rose

スタートは良かったですね。内からコスモフェリークが前に行ったので、控えて2番手からの競馬になりました。道中は終始行きたがっている感じでしたかね。北村宏司騎手が掛からない程度にうまく抑えていたと思います。3,4コーナーでは先頭に並びかける形でまわってきましたね。直線に入ると先頭に並んだまま半ばまで持ったままでした。追われ始めると反応良く一気に抜け出しましたね。抜け出しからは後続との差は広がりませんでしたが、2着レネットに1 1/2馬身差をつけて優勝しました。瞬発力があるタイプですかね。
父ディープブリランテのスピードに母父Sevres Roseスタミナが入った配合ですね。Riverman、Akarad、Lady Berryの間でTourbillonのクロスが成立してスタミナを強化しています。父ディープブリランテがスピード優位の中距離馬なので、スタミナを強化するという意味では良いと思います。そう考えると2000m以上でも問題ないと思います。距離が伸びてのレースも観てみたいですね。


11月5日(日)京都1R ダート1400m 優勝 1:26.5(晴・良)

ティカル       牡

父:ヘニーヒューズ
母:マヤノマヤ
母父:タイキシャトル

好スタートからダッシュよく、また富田暁騎手が押して先頭に立って逃げましたね。道中も自分のペースで走っていたと思いますし、3,4コーナーでも単騎でまわってきました。直線に入ると後続をすでに突き放していましたね。追われるとさらに差を広げて2着に6馬身差をつけて優勝しました。
マイル適性を高めた配合でしょうか。Haloのクロスでスピードを強化して、Nijinskyのクロスでスタミナを強化していますね。父ヘニーヒューズの産駒にはダートで活躍した馬が多く、また母父タイキシャトルもダートで活躍しているので、ダートでも走れる適正はあると考えますし、これまでの結果をみるとダートの短距離がよさそうですね。


11月5日(日)京都2R 芝1600m 優勝 1:35.1(晴・良)

シグナライズ        牝

父:Frankel
母:ワイルドココ
母父:Shirocco

スタートは良かったですね。中団に位置するかと思いましたが、やや掛かり気味だったこともあり5,6番手の外につけましたね。3コーナー入るあたりで3番手まで上がり、コーナーをまわりながらさらにポジションを上げ、直線に入る時には先頭に並んでいましたね。直線に入って追われるとあっさりと抜け出して2着に2馬身差をつけて優勝しました。
父Frankelのスピードに母父Shiroccoのスタミナを入れた配合でしょうか。Northern Dancerのクロスによりスタミナを強化していますね。またKonigsstuhlのクロスがありますが、これはTourbillonの血を含んでおり、Sadler's WellsがいることでさらにTourbillonの血が追加されています。このように考えるとシグナライズはスタミナ優位の競走馬といえますし、2000m以上でも走れるのではないでしょうか。切れがあるタイプではないと思うので、今回のレースのような展開が良いと思います。


11月5日(日)京都3R ダート1800m 優勝 1:54.8(晴・良)

グレートタイム       牡

父:キングカメハメハ
母:ミラクルレジェンド
母父:フジキセキ

スタートは悪かったですね。出遅れ気味で後方からの競馬になりました。後方3番手にいましたが、1,2コーナーの外目をまわりながら前との差を詰め、向正面に入るときには中団の位置にいました。3コーナー入る辺りからポジションを上げ、4コーナーをまわるときには先団を射程圏内に入れて外からさらに上がってきました。直線に入った時にはすでに2番手でしたし余裕もありましたね。追い出されると先頭を行くサンライズコロンを一気に抜き去りあとは差を広げるばかりでした。2着サンライズコロンに5馬身差をつけて優勝しました。
父キングカメハメハに母父フジキセキのスタミナを入れた配合ですかね。Northern Dancerのクロスでスタミナを強化していますね。聞きなれないSanta Quillaという馬のクロスがありますが、この馬の血統にはTourbillon、Mahmoud、Princequilloといったスタミナ血統が含まれており、そのためこれらがクロスしていることになります。Mill ReefがいることでTourbillonのクロスがさらに追加されていますね。このような背景を考えるとスタミナ十分だと考えますし、それを馬力としてダートの適正が高くなったのかもしれませんね。


11月5日(日)京都4R 芝1800m 優勝 1:48.8(晴・良)

ウォルビスベイ      牡

父:ディープインパクト
母:オヴァンボクイーン
母父:Kalatos

スタートは普通に良かったでしょうか。好位につけてレースを進めました。道中は3,4番手につけてリズムよく走っていたと思います。3,4コーナーでもそのままの位置をキープしてまわってきました。直線に入って外目に出して追われるとしっかり足を伸ばしていました。内にアメリカンワールドと馬体を併せてたたき合いになりました。最後には競り勝って後ろからインスピレーションが迫ってきましたがクビ差粘ることができました。前半1000mが59.9とこのクラスではやや速いペースだったと思いますが、このペースを先行して最後まで粘りこむあたり強い内容だったと思います。
父ディープインパクトに母父Kalatosのスピードを入れた配合でしょうか。母オヴァンボクイーンの中でSuper Concordeとイルドブルボンの間でTourbillonのクロスが成立していますし、サンデーサイレンスとNijinskyの間で米国スタミナ血統のクロスが成立しています。全体的に見ても深部でHyperionのクロスが成立していますし、スピードをもたらすLady Josephineの血も含まれていますね。スタミナだけでなく、スピードも強化している良い血統だと思います。




参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

0 件のコメント:

コメントを投稿