今週は東西ともに注目の重賞がありますね。
東京新聞杯ときさらぎ賞。
今日は東京新聞杯で一番人気が予想されるエアスピネルの血統について話をします。
自分は血統について詳しいわけではないですが、競馬通信社著作・発行の尾林奉之氏の『血統基礎講座』を参考にしています。
かなり古い本ですし、基礎というにはかなり濃い内容と思いますが、その分読み応えがあります。
さてエアスピネルですが、現代競馬の主流の血脈を築いています。
父キングカメハメハ 母エアメサイア
この時点で日本では良血馬として人気になりますね。もう少し踏み込んでみてみるとしましょう。
3代目父を並べてみますとMr.prospector、ラストタイクーン、Halo、ノーザンテーストとなっており、ネイティブダンサー系、ノーザンダンサー系、ヘイルトゥリーズン系、ノーザンダンサー系となっており血統基礎講座の言葉でいうと主流血脈が集まっている血統になっています。
インブリードはノーザンダンサー4×5×5。
これだけの良血ならば期待されるのもうなずけます。
事実クラシックでも良績を残していますし、今後は自身の適距離に戦場を移して戦えますので期待も大きいでしょう。
適距離は1600m~2000mでしょうか。
父キングカメハメハはKingmamboのマイラーとしてのスピードをマンファスのスタミナ血統(欧州血統)が支え、ダービーでレコード勝ちを収めました。
エアメサイアも中距離で活躍した競走馬なので、中距離適性を強めた配合なのだと思います。
その配合により中距離では平均以上のパフォーマンスをみせることができるのではないでしょうか。実際京都金杯やデイリー杯2歳Sを勝っていますしね。
ここで面白い対象がいるので比較してみましょう。
ロードカナロアです。安田記念も勝ったスプリンターです。レベルの高い香港スプリントを2連覇しています。
この馬も父にキングカメハメハを持ち、ノーザンダンサー4×5×5のインブリードを持ちます。
両方を比較するのに必要なのは母側の血統を見ていく必要があります。
エアスピネル
母:エアメサイア
母父:サンデーサイレンス(中距離馬)
母母父:ノーザンテースト
ロードカナロア
母:レディブラッサム
母父:Storm cat(マイラー)
母母父:Cormorant
ロードカナロアはStorm catのマイラーのスピードを活かしたのだと思うのですが母母父Cormorantは血統を遡るとHis majesty(父Ribot 母Flower Bowl)がいます。これはスタミナを補強するの血統なので、Storm catのスピードを持続するのに一役買っているのだと思います。またCormorantの母側はスピードを注入する血脈ももっています。
さらに注目したいのが、Storm catの母父secretariat。これはナスルーラのスピードをプリンスキロのスタミナでスピードの持続性を高めているのですが、キングカメハメハの5代目にMill Reefがいてこれもナスルーラとプリンスキロを持っているんですね。
ロードカナロアはキングカメハメハの中距離適性にStorm cat本来のスピードを注入するだけでなく、Cormorantのスタミナ、ナスルーラとプリンスキロのクロスを持ち合わせた血統になっており、スプリンターに必要なスピードとそれを維持するスタミナが得られたのではないでしょうか。
余談ですが、こうしてみてみるとレディブラッサムは短距離ばかりを使っていたのですが、距離を伸ばして使っても良かったのではないかと思います。
エアスピネルは先ほども言ったように重賞も勝っていますし、これから楽しみな馬であることに間違いはありません。血統的にも期待されて当然ですし、成功しているといってもいいでしょう。
ロードカナロアも負けず劣らずの良血ですが、血統の細部まで見てみると父と母の受け継いできた血脈をうまく活用した血統になっています。
いまさらですが、すごい考え抜かれた血統だなぁと思い知りました。
同じ父親でも距離適性に差が出て面白いですね。
しかし考えた通りの馬が生まれてくるかと言ったらもちろんそうではないです。
そこが予想だけではない競馬の面白いところだと思います。
長々となりましたが言いたいことは
①エアスピネルには皆の期待に応えられるように頑張ってほしい。
②ロードカナロアのようなよく考えられた血統の馬をPOGで指名したい。
ということです。
参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
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