今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。11月4日(土)のレースです。
11月4日(土)東京5R ダート1300m 優勝 1:17.4レコード(晴・良)
ミスターメロディ 牡
父:Scat Daddy母:Trusty Lady
母父:Deputy Minister
好スタートから内枠ということもありすんなり逃げる形になりましたね。3,4コーナーでは後続からのプレッシャーを受けていましたが、スピードの違いもあってかあまり関係無さそうでした。直線に入っても余裕がありましたね。半ばまでは持ったままでしたし、追われると後続を突き放すだけでした。鞭は使ってないですかね。2着に8馬身差をつけて優勝しました。しかもレコード勝ち…強かったですね。
父Scat Daddyに母父Deputy Ministerの力強さをいれた配合ですかね。Mr. Prospectorのクロスでスピードを強化していますし、Northern Dancerのクロスでスタミナを強化していますね。また深部ではありますがLikeable StyleとMint Copyの間ではLa Troienneのクロスも成立していますし、別のところでは米国スタミナ血統も多く含まれています。PrincequilloやHyperionの血も多く含まれていますね。ダート適正は高いと思いますし1600mまでは問題ないと思います。
11月4日(土)東京6R 芝1600m 優勝 1:37.5(晴・良)
ジーナスイート 牝
父:ステイゴールド母:ディアジーナ
母父:メジロマックイーン
スタートは良かったと思います。その後積極的にというわけではありませんが、押し出されて逃げる形になりました。道中は後続を引き付けての逃げになりましたが、特に掛かるようなこともなくリズムよく入っていたと思います。3,4コーナーもそのままのペースでまわっていたと思います。直線に入っても余裕があったでしょうか、内にクスリバコ、外にルックスマートと馬体を併せ、最後はクスリバコとのたたき合いになりました。着差は1/2馬身差でしたが、着差以上の余裕があったように見えました。
血統は父ステイゴールド、母父メジロマックイーンの黄金配合ですね。ドリームジャーニー、オルフェーヴル、ゴールドシップらがこの黄金配合で、中長距離を適正距離として活躍しました。そのことを考えるとジーナスイートも中長距離が適正距離と考えます。母母アイネスターキンもスタミナ血統ですが、Lady Josephineと組するHyperionがいて、ノーザンテースト、Alcide、Wishing Wellに含まれているHyperionとクロスを成立させることでスタミナだけでなく、スピードも強化されています。黄金配合による競走馬の活躍を見る限り、血統背景は素晴らしいというほかないと思います。やはり距離が延びて良いタイプと考えます。
11月4日(土)福島5R ダート1700m 優勝 1:50.4(曇・稍重)
レナータ 牝
父:ブレイクランアウト母:ゴールドデイ
母父:Seeking the Gold
スタートはあまりよくありませんでしたが、ダッシュよく(掛かって?)好位につけることができました。道中は3,4番手の外につけてレースを進めていましたし、掛かる様子もなく走っていたと思います。3コーナー時点では手ごたえ良く早くも先頭に並んでいましたね。そのまま直線に入って追われて抜け出しました。ゴール前ではタマモストームにハナ差詰め寄られましたが、何とか粘りこむことができましたね。
父ブレイクランアウトのスピードに母父Seeking the Goldのスタミナを入れた配合でしょうか。Mr. Prospectorのクロスがあることでスピードが強化されていますが、早熟性も気になるところです。しかしフレンチデピュティやGraustarkの存在、BuckpasserとNijinsky(さらにいえばMr. Prospector)の間にある米国スタミナ血統のクロスによりスタミナが強化されている利点もあります。レースを観た感じではスピードや切れがあるタイプではなさそうなので、スタミナ優位なのかな、と思いますし、それであれば早めに抜け出して押し切る形が良いと考えます。
未勝利戦
11月4日(土)東京1R ダート1400m 優勝 1:26.6(晴・良)
ミヤギウイング 牝
父:エンパイアメーカー母:キョウエイタキオン
母父:アグネスタキオン
スタートは良くありませんでしたが、内枠ということもあり中団からレースを進めることができました。道中は内ラチ沿いの馬込みの中で走っていましたが、掛かっていましたね。横山典弘騎手が抑えようとしていましたが、3コーナーに入る辺りまで掛かっていました。3,4コーナーをまわるときには落ち着いて走っていたと思います。直線に入ると外に出すことができず、インをついて伸びていましたが、直線半ばで前が壁になり外に持ち出して追われると一気に抜け出しましたね。2着ウメタロウに3 1/2馬身差をつけて優勝しました。
父エンパイアメーカーの力強さに母父アグネスタキオンのスピードを入れた配合でしょうか。Mr. Prospectorのクロスがあることでスピードを強化していますし、Buckpasser、サンデーサイレンス、Nijinsky、In RealityさらにはMr. Prospectorとの間で米国スタミナ血統のクロスがみられています。ダート適正もあると思いますし、距離が延びても問題ないのではないでしょうか。
11月4日(土)東京2R ダート1600m 優勝 1:38.2(晴・良)
エンパイアミライ 牡
父:エンパイアメーカー母:スプリングフェスタ
母父:ゼンノロブロイ
スタート良く押して好位につけました。道中は先頭を行くスロットマシーンの直後につけて走っていましたね。3,4コーナーでは逃げるスロットマシーンに並びかけ、外からはトーセンヴィータが馬体を併せてくる展開で直線に入りました。直線に入ると外にトーセンヴィータと馬体を併せたたき合いになりました。常に1/2~1馬身は抜け出している状態でした。最後まで差が縮まることはなくたたき合いを制して優勝しました。3着のクニノオーシャンとは10馬身以上離れていたことを考えると、1,2着馬の力が抜けていたということでしょうね。
こちらも東京1Rで優勝したミヤギウイングと同じような血統背景になっています。大きく違うのはBuckpasserのクロスがあることでLa Troienneのクロスが成立していることでしょうか。El Gran Senor、マイニング、シルにこのBuckpasserの血が流れており、La Troienneだけでなく米国スタミナ血統のクロスも成立しています。このように考えると血統背景上はミヤギウイングよりダート適正は高いと考えます。
11月4日(土)東京3R 芝2000m 優勝 2:02.6(晴・良)
コズミックフォース 牡
父:キングカメハメハ母:ミクロコスモス
母父:ネオユニヴァース
スタート良く、内枠よりだったこともあり好位につけることができました。道中は馬込みの4~6番手でレースを進めました。落ち着いて走っていたと思いますし、3,4コーナーでも同じような位置をキープしてまわってきました。直線に入って追われるとインの狭いところを抜け出してきました。切れる脚はないですが、ジワジワと脚を伸ばし2着トーセンクリーガーに1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父キングカメハメハのスピードに母父ネオユニヴァースのスタミナを入れた配合といえるでしょうか。Mr. Prospectorのクロスでスピードを強化していますね。またMill ReefとSecretariatの間でNasrullahとPrincequillo組のクロスが成立してスピードとスタミナを強化しています。またMill ReefとLover's Walkの間でNever Bend(母Lalun)のクロスが成立しておりTourbillonがクロスしていることになります。またNever BendとSex Appealの間でLa Troienneのクロスが成立しています。レースを観る限り2000m以上でも問題なさそうですね。
11月4日(土)東京4R 芝1400m 優勝 1:22.5(晴・良)
アイスフィヨルド 牡
父:クリストワイニング母:ラトーヌインパクト
母父:ディープインパクト
スタートは普通でしたね。外枠からの出走で中団につけました。先行する馬が多く前が壁になっていましたね。外をまわってのレースでしたが、3,4コーナーでも同じような位置にいてまわっていましたね。直線に入ると持ったままで前との差を詰めていましたね。追い出されると反応良く伸びて一気に抜け出しました。そのまま3馬身の差をつけて優勝しました。
父クリストワイニングのスピードに母父ディープインパクトスタミナを入れた配合でしょうか。父クリストワイニングはMr. Prospectorのスピードを引き継ぎながら、Key to the Mintというスタミナがあり、Tourbillonのクロスもあることでより強化しています。血統からはダート適正が高いように考えます。母側にはダートでも強さを見せていたタイキシャトルもいることからダートでも走れるのではないでしょうか。今回勝ち上がったので芝ももちろん走れるとは思いますが、一度ダートでの走りも観てみたいですね。
11月4日(土)福島1R ダート1150m 優勝 1:09.3(曇・稍重)
スリーチェイサー 牡
父:シニスターミニスター母:ゴールドチェイス
母父:アドマイヤムーン
スタート良くダッシュもつきましたね。好位についてレースを進めることができました。道中は3番手の外につけ流れに乗っていたと思います。3,4コーナーでは逃げるソングオブファイアにい並び、そのまま直線に入りました。直線に入っても余裕がありましたね。持ったままでソングオブファイアと馬体を併せて走っていましたし、追い始めると一気に抜け出しました。2着ソングオブファイアに1 1/2馬身差をつけて優勝しました。
父シニスターミニスターにはダートで活躍する産駒が多いですが、そこに母父アドマイヤムーンのスピードを入れた配合といえるでしょうか。Mr. Prospectorのクロスがあることでスピードを強化し、SecretariatのクロスでNasrullahとPrincequillo組のクロスが成立することでスピードとスタミナを強化しています。またMy CharmerとBuckpasserとの間ではLa Troienneのクロスが成立して底力を強化しています。血統背景からいうとダート適正が高いと考えますね。距離は1600mまでは問題ないのではないでしょうか。
11月4日(土)福島2R 芝1800m 優勝 1:49.5(曇・良)
プタハ 牡
父:ヘニーヒューズ母:シャラポワ
母父:サンデーサイレンス
スタートは一番良かったのではないでしょうか。そのまま先頭に立ち逃げる形になりました。やや行きたがったのか、ペースを抑えるためか岩田康誠騎手が抑える場面がありましたが、全体的に道中は落ち着いて入っていたのではないでしょうか。そのまま先頭で3,4コーナーをまわり直線に入りました。直線に入って追われると最後まで一生懸命走っていましたね。後続からも脚を伸ばしてきている馬もいましたが、差が詰まることなく2着に1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父ヘニーヒューズのスピードに母父サンデーサイレンスのスタミナを入れた配合でしょうか。父ヘニーヒューズにはTourbillonのクロス、Princequilloのクロスなどによりスタミナが強化されており、ダート適正が高いと考えます。そこにスタミナを入れた配合ですが母側にはBlushing Groomというスピード血統が入っており、芝での適性を上げているのだと思います。今回は芝でのレースで優勝しましたが、もう一度ダートでのレースも観てみたいですね。
参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン
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