2017年10月16日月曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㊴ 10月14日(土)勝ち上がり馬



今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。10月14日(土)のレースです。

10月14日(土)東京4R ダート1400m 優勝 1:24.1(曇・不良)

ダークリパルサー      牡 

父:ハードスパン
母:エミネントシチー
母父:ブライアンズタイム

好スタートから内枠を活かして逃げました。常にオレノマニラが直後につける展開でしたが、先頭を保ってそのまま直線に入りました。直線に入っても余裕がありましたね。追い出しをギリギリまで待っているように見えました。後ろからアルクトス、ミヤギウイングが迫ってきましたが、着差以上の完勝だったと思います。
父ハードスパンのスピードに母父ブライアンズタイムの力強さを入れたダート適正を高くした配合ですね。Robertoのクロスがあること、さらに母エミネントシチーはFlower Bowl、Traffic Judgeに含まれるAlibhaiがいることでHyperionのクロスが成立しており、この点もダート適性を上げていると考えます。半兄にダートを主戦場としてGⅠも多数勝っているエスポワールシチーもいますし、距離は2000mでも問題ないのではないでしょうか。


10月14日(土)東京5R 芝1600m 優勝 1:37.3(曇・稍重)

マウレア        牝

父:ディープインパクト
母:バイザキャット
母父:Storm Cat

好スタートから好位につけましたが、前が狭くなったのか後ろに下げる(下がった?)姿がありましたね。それでも中団から馬群の中から落ち着いて走っていたと思います。4コーナーをまわりながら徐々に進出をし、直線では外に出そうとしていましたが、進路がありませんでしたね。それでも前が開いて追われると、、馬と馬の間をから脚を伸ばして反応良く抜け出しました。ちょっとモノが違う感じでしたね。
父ディープインパクトのスタミナに母父Storm Catのスピードを入れた配合でしょうか。深部でNasrullahやRoyal Chargerがいることでスピードを強化しているように思えますが、それ以上にサンデーサイレンスとStorm Birdがいることで米国スタミナ血統がクロスしていることの方に目が行きます。全姉に桜花賞を勝ったアユサンがいることで1600mがベストの様に思えますが、2000mまでなら問題ないのではないでしょうか。3歳牝馬だけであれば、2400mでも勝負できると思います。

10月14日(土)京都4R ダート1800m 優勝 1:54.3(曇・良)

ライジングドラゴン        牡

父:カネヒキリ
母:ゴッドビラブドミー
母父:ブライアンズタイム

一番スタートが良かったですね。先頭に立ちましたが、内枠から先頭を伺う馬がいたのでそちらに先頭を譲って3番手からの競馬になりました。3コーナーから4コーナーにかけて徐々に進出し、4コーナー出口では先頭に並んで直線に入りました。直線に入って追われ、内にいるレッドアルディを競り落とすとそのまま抜け出して独走態勢になりました。最後グレートタイムがすごい脚で迫ってきましたが、1 1/2馬身差まで詰め寄るのがやっとでしたし、ライジングドラゴンは余裕を持ってゴールしていましたね。
父カネヒキリはダートで活躍した競走馬でしたが、血統からみるとDeputy Ministerの重い血が影響したのだと考えます。ここに母父ブライアンズタイムの力強さを入れることで、よりダート適正を高めたような配合になっています。またMr. Prospector、Hail to Reasonのクロスがあることでスピードを強化していますね。全体的に主流血脈が目に移りますが、Deputy Minister、Kelley's Dayという重石を置いたところが良い点だと思います。今後もダートが主戦場となるのではないでしょうか。


10月14日(土)京都5R 芝1200m 優勝 1:10.0(雨・良)

ロンロネオ      牡 

父:Elusive Quality
母:カタウォール
母父:Street Cry

スタートはやや遅れ気味でしたがその後のダッシュよく先団の後方からレースを進めることができました。3コーナー、4コーナーでは先頭を射程圏内に入れ、直線に入るときには外に出していましたね。直線に入って追われると最初は反応はいまいちでしたが、鞭が入ると一気に脚を伸ばして前をとらえましたね。3/4馬身差をつけて優勝しました。
父Elusive Qualityのスピードに母父Street Cryのスピードをさらに入れた形ですね。またMr. Prospectorのクロスがあることで早熟性が高まるのではないかと考えます。そこを基本にしつつ、さらに血統背景を見ていくと面白いです。まずSecretariatのクロスがあること、またRivermanがいることでNasrullahとPrincequillo組のクロスが成立しています。さらに詳細は省きますが、スピード血統と組みになっているHyperionがクロスになっていたり、米国スタミナ血統がクロスしていたりと、父と母の血統を細部まで考えたような配合になっています。先ほども言ったように基本早熟性が高い配合だとは思いますが、このような血統背景がどこまで活きるかで、競走馬として活躍できる期間や今後の成長にも影響すると考えます。



未勝利戦

10月14日(土)東京1R ダート1400m 優勝 1:25.6(曇・不良)

カナメ        牡

父:メイショウボーラー
母:メイショウカガリビ
母父:シンボリクリスエス

スタートは良かったと思います。他の馬のダッシュが良く、置いて行かれそうになりましたが、北村宏司騎手が押して前目にポジションをとろうとしていましたね。それでも中団外目からの競馬になりました。3、4コーナーではポジションを上げて4コーナー出口では先頭を社計県内に入れていましたね。直線に入り外から追い出すと内にノーボーダーと馬体を併せ追い比べになりました。最後は1 1/4馬身抜け出して優勝しましたね。
父メイショウボーラーのスピードに母父シンボリクリスエスのスタミナを入れた配合ですね。父メイショウボーラーはフェブラリーS(GⅠダート1600m)に優勝し、芝短距離でも活躍した競走馬です。産駒も父同様ダート、芝とも短距離で活躍していますね。母父シンボリクリスエスを迎えたことでスタミナ強化していますが、Halo、Hail to Reasonのクロスがあることでスピードも強化されていると考えます。個人的に注目したのは父メイショウボーラーの4代目にSearchingがいること、母メイショウカガリビの4代目にSeattle Slew(母My Charmer)がいることです。これによりLa Troienneのクロスが深部で成立しており、切れる脚はなくとも底力とパワーが強化されています。これによりダート適正が強化されていると考えられます。距離は1600m~2000mが適正距離ではないでしょうか。



10月14日(土)東京2R 芝1600m 優勝 1:36.4(曇・稍重)

サトノテラス       牡

父:オルフェーヴル
母:サトノアマゾネス
母父:デインヒル

スタートは良かったですね。そのまま2番手につけましたが、行きたがっていたのか、ペースが速いと判断したのか、C.ルメール騎手が抑えて3、4番手からレースを進めました。3、4コーナーで進出し4コーナー出口では先頭に並んでいましたね。直線に入って手ごたえに余裕がありましたが、プタハを内に馬体を併せ追い比べになりました。プタハがばてたところに後ろからブショウが凄い脚で迫ってきましたが、クビ差抑えて優勝しました。
父オルフェーヴルのスタミナに母父デインヒルのスピードを入れた配合ですね。メジロアサマ、Buckpasserがいることで深部でLa Troienneのクロスが成立していますし、ノーザンテースト、Flower BowlがいることでHyperionのクロスも成立し、スタミナも強化されています。またHyperionのスタミナをスピードに活かすことができる血統(Lady Josephine)もデインヒルの中に含まれています。半兄に朝日杯フューチュリティS(GⅠ芝1600m)に優勝したサトノアレス(父ディープインパクト)がいますが、父がオルフェーヴルになったことでスタミナがあるタイプになったと考えます。2000m以上でも走れるスタミナはあると思います。



10月14日(土)東京3R 芝1800m 優勝 1:51.2(曇・稍重)

キングスヴァリュー      牡

父:キングカメハメハ
母:アートプリンセス
母父:Officer

スタートは良かったですね。そのまま馬なりで中団につけてレースを進めました。馬群の中からのレースになりmしたが、落ち着いて走っていたと思いますし、流れにも乗っていたと思います。3、4コーナーで徐々に進出し4コーナー出口では先団をとらえられる位置にいました。直線に入って半ばまでは行き先がなく前が開くのを待っていましたが、スペースが開いて鞭が入ると一気に前をとらえて抜け出し、優勝しました。
父キングカメハメハのスタミナに母父Officerのスピードを入れた配合といえますが、全体的に主流血脈とそれ以外の血脈のバランスが良いのがいいですね。Mr. Prospectorのクロスがあることでスピード強化しています。それだけでなくSex Appeal、Seattle Slew(母My Charmer)がいることでLa Troienneのクロスが成立し、またSex Appeal、Nijinskyがいることで米国スタミナ血統のクロスが成立することで、Mr. Prospectorのスピードを支えるスタミナを強化していると考えます。Mr. Prospectorのクロスがあることで早熟性が高まる可能性はありますが、母父に主流血脈を主としないOfficerという重石を置くバランス感覚が良いと感じます。


10月14日(土)京都1R ダート1400m 優勝 1:27.0(曇・良)

ビコーズオブユー       騸

父:ダイワメジャー
母:アンシャンタン
母父:Unbridled's Song

スタートは普通でしたが、その後のダッシュよく先団につけてレースを進めました。外から一度先頭に立ちましたが、内にいるコラードが3コーナー前に先頭に立ち、ビコーズオブユーは外に合わせる形で走っていました。4コーナー出口では先頭に立って直線に入りました。外々をまわってのレースでしたが、直線に入っても手ごたえがありましたね。ダンツタイヨウが後ろから迫っていましたが、最後まで抜かせず粘りこみました。
父ダイワメジャーに母父Unbridled's Songの重石をおいた配合でしょうか。母父Unbridled's SongにはMr. Prospectorの血が流れていますが、それを受けるKillaloe、Gana Facilという血統が重くUnbridled's Songに受け継がれています。しかし母母Celtic MelodyにはMr. ProspectorやNasrullahといったスピード血統が多く含まれています。母父にUnbridled's Songがダートでも走れる力強さを得られている血統背景であると考えます。


10月14日(土)京都2R 芝1200m 優勝 1:09.1(曇・良)

ラブカンプー        牝

父:ショウナンカンプ
母:ラブハート
母父:マイネルラヴ

スタート良く先頭に立ちました。内からガウルが並んできたので先頭を譲ろうと川田将雅騎手が抑えようとしましたが、ラブカンプーが行きたがって止まらない感じでしたね。そのまま先頭に立ち単騎で逃げる展開になりました。速いペースでの逃げでしたが、直線に入ってもバテることなく後続を突き放して完勝でした。
父ショウナンカンプに母父マイネルラヴという共に芝1200mのGⅠを勝った馬同士の配合になっていますね。父父サクラバクシンオーもスプリンターズS(GⅠ芝1200m)を連覇した快速馬でした。そのスピードはNasrullahのクロスから受け継がれたものでしょう。しかしそのスピードはHyperionのクロスやBull Dogのクロスがあったことで支えられたのだと思います。ラブカンプーもNasrullahのクロスがありますし、Nijinsky、Buckpasser、Seattle Slew(母My Charmer)がいることで米国スタミナ血統がクロスしていますし、La Troienne系の血統のクロスもあり、スピードを支える下地はあります。と、考えるとラブカンプーも短距離を主戦場とする可能性が高いと思われます。


10月14日(土)京都3R 芝2000m 優勝 2:01.2(曇・良)

エタリオウ       牡

父:ステイゴールド
母:ホットチャチャ
母父:Cactus Ridge

スタートで出遅れましたね。かなり離された最後方からの競馬になりました。向正面で集団の後方につけることができました。前半1000m1.01.5とややペースが流れた展開でしたが、その後全体のペースが落ちた3コーナー辺りから仕掛けて追い出しを開始しました。そのままの勢いて捲っていき、4コーナー出口では先頭に並んで直線に入りました。そこから追い出すとしぶとく伸びましたね。外からムーンレイカーが伸びてきて馬体を併せる形になりましたが、そこからが勝負強かったですね。一気に抜かれるかと思いましたが、そこからさらに伸びて逆に3/4馬身差をつけて優勝しました。
父ステイゴールドのスタミナに母父Cactus Ridgeのスピードを入れた配合ですね。しかし課題はスピードでしょうか。深部ではNasrullahのクロスがありますし、Royal Chargerのクロスもみられますがそれでもスタミナが勝っていると思います。今回のレースの内容は必ずしも会心の内容ではないと思いますが、自分から仕掛けていき他の馬に脚を使わせスタミナ勝負に持っていく形が合っていると思います。



10月14日(土)新潟2R ダート1800m 優勝 1:56.9(晴・稍重)

ロージズキング      牡

父:ロージズインメイ
母:ドリーミングバード
母父:フォーティナイナー

スタート良く先頭に立つ勢いでしたが、内枠にいたクリノヒビキが先手を取りロージズキングは2番手からレースを進めました。道中もレースの流れに乗って入っていたと思います。4コーナー出口では先頭に並んで直線に入りました。直線に入って追われると脚を伸ばしていましたが、外からマイネルサリューエが体を併せてきてたたき合いになりました。最後の最後までたたき合いになり何とかクビ差抜け出して優勝しました。
父ロージズインメイのスタミナに母父フォーティナイナーのスピードを入れた配合でしょうか。Raise a Nativeのクロスでスピードを強化し、深部では米国スタミナ血統やHyperion、Princequilloのクロスによってもスタミナが強化されています。主流血脈だけでなくそれ以外の血脈もバランスよく配合されていると思います。欲を言えば、主流血脈であるMr. ProspectorやHail to Reasonのクロスによるスピード強化があると良いのかな、と思いました。というように課題はやはりスピードということになりますね。


10月14日(土)新潟5R 芝1400m 優勝 1:22.1(晴・良)

ケワロス       牝

父:ダイワメジャー
母:フェアリーワルツ
母父:Lear Fan

スタートは普通でしたね。スピードに乗って先団までポジションを上げましたが、やや掛かり気味でもあったのか、菱田裕二騎手が抑えるシーンもありました。前に行く馬が多い中、馬込みの中で6番手くらいでレースを進めていましたかね。4コーナーをまわりながらより先団に近づき、直線に入るときには外目に出して前に並ぶ位置にいました。追われて脚を伸ばしてファストライフをゴール前で何とかとらえて優勝しました。
父ダイワメジャーのスピードに母父Lear Fanの重さを入れた配合でしょうか。重さの原因はRobertoなのでダートでも適応できる可能性はありますね。半兄にダートや芝のマイルで活躍したオーロマイスターがいるのですが、大きな違いは父母母の血統ですね。簡単に言うとオーロマイスターの父母母は欧州血統が主で、ケワロスの父母母は米国血統が主になっており、この米国血統の部分が母フェアリーワルツと多くの米国血統のクロスを成立させています。おそらく距離適性はマイル前後だと思いますが、スピードの持続力はケワロスの方が上かな、と思います。ただ馬場が渋るとキツイかなとも思います。



参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

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