2017年10月25日水曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㊷ 10月22日(日)勝ち上がり馬



今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。10月22日(日)のレースです。

10月22日(日)東京4R 芝1400m 優勝 1:29.1(雨・不良)

ハーグリーブス      牡 

父:エンパイアメーカー
母:プレシャスライフ
母父:タイキシャトル

スタートは良かったですね。ダッシュもよく外枠ではありましたが2,3番手からレースを進めることができました。4コーナー出口では馬場のよい外をまわりながらも先頭と並ぶ位置にいましたね。直線半ばから追われると内にロードハナブサ、外にオメガラヴィサンと馬体を併せたたき合いになりました。最後にはたたき合いを制し、オメガラヴィサンにクビ差抜け出して優勝しました。
父エンパイアメーカーのスタミナに母父タイキシャトルのスピードを入れた配合ですね。Mr. Prospector、Halo、Storm Catというスピード血統があります。これを支えるように、父エンパイアメーカーにはBuckpasser4×5のクロスがあり、Nijinskyがいることで米国スタミナ血統のクロスが成立していますね。ちなみにMr. Prospectorにも米国スタミナ血統は含まれています。別のところの深部ではHyperionのクロスも成立していますね。父エンパイアメーカーはもともと重めの血統をしていますし、母父タイキシャトルはダートでも成績を残していました。こう考えるとダートでも走れると思いますし、今回の不良馬場もこのような背景があり走れたのだと思います。


10月22日(日)東京5R ダート1600m 優勝 1:38.8(雨・不良)

グラスチャンプ        牡

父:シニスターミニスター
母:リアルファッション
母父:キングカメハメハ

スタートは良かったですね。大外枠だったこともあり内の様子を見ている様子もあったと思いますが、そのまま外を走り4,5番手につけてレースを進めていました。3,4コーナーでも外をまわり4コーナー出口では先頭に並ぶ形になっていました。直線半ばまでは持ったままでしたね。余裕があったように見えましたし、追われるとすんなり抜け出しました。ロイヤルジュビリーが後ろから追ってきましたが、差は詰まることなく1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父シニスターミニスターに母父キングカメハメハのスピードを入れた配合といえますかね。これまでも言っているようにシニスターミニスターの産駒はダートで活躍する馬が多くいるのでグラスチャンプもダート適正があると考えてよいと思います。またその血統背景として考えると、シニスターミニスターの父父A.P. IndyにはMy CharmerとBusandaがいることでLa Troienneの血がクロスしていますし、父母Lovlier LindaにはTourbillonの血が流れていますが、グラスチャンプの母父キングカメハメハにもTourbillonの血がありクロスしています。ちなみにキングカメハメハにはトライマイベスト(母Sex Appeal)を通してLa Troienneの血も流れています。このような背景を考えるとやはりダート適正は高いと考えます。



10月22日(日)京都4R ダート1400m 優勝 1:25.5(雨・不良)

アントーニオ        牡

父:ハードスパン
母:ラヴァリーノ
母父:Unbridled's Song

スタートは普通でしたが、その後のダッシュが良かったですね。好位の2番手につけてレースを進めました。そのまま2番手で3,4コーナーもまわり直線に入りました。直線に入って追われると、先頭を行くリーガルリリーをすぐに抜き先頭に立ちました。抜け出した後も追われるたびにグングン伸び6馬身差をつけて優勝しました。
中距離適性を高めたような血統背景ですがスピード血統は多く含まれていますね。 Mr. ProspectorのクロスとRaise a Nativeのクロスがあることでスピードを強化しています。またMr. Prospector、Nijinsky、Robertoがいることで米国スタミナ血統がクロスしています。DarbyvailとShadeedの間でMy Babu(父父Tourbillon)のクロスがあるのもよいですね。ダートを主戦場として2000mまでは問題ないのではないでしょうか。


10月22日(日)京都5R 芝2000m 優勝 2:12.9(雨・不良)

グレイル      牡 

父:ハーツクライ
母:プラチナチャリス
母父:ロックオブジブラルタル

スタートは普通でした。馬なりに走らせ中団からの競馬になりましたね。向正面に入ると外をまわりポジションを上げ、3番手に位置しました。そのまま先頭を射程圏内に入れながら、3,4コーナーをまわり直線に入りました。直線に入るとグレイルを真ん中に5頭が横に並び追い比べとなりました。バテることなく走り、最後ストーミーバローズにクビ差競り勝ち優勝しました。
父ハーツクライのスタミナに母父ロックオブジブラルタルのスピードを入れた配合ですね。ビユーパーダンスとデインヒルの間にBusanda(母母La Troienne)のクロスがありますね。またWishing Well、トニービン、デインヒル、Be My GuestがいることでHyperionのクロスが多く成立しており、中にはLady Josephineというスピードを持つ血統とHyperionが組みをつくりクロスが成立しているのが良いですね。


10月22日(日)新潟5R 芝1400m 優勝 1:25.4(雨・重)

ダイシンステルラ      牝 

父:ダイシンオレンジ
母:ダイシンモード
母父:マイネルラヴ

スタートは良かったと思います。無理に押していくことはせず馬なりで進みに後方からのレースとなりました。3コーナーに入る前には外から徐々にポジションを上げ、3,4コーナーをまわり直線にはいる時には先頭に並びかける勢いで射程圏内にいれていました。直線に入り外目から追い出すと3頭の競り合いから抜け出し、1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父ダイシンオレンジはダートの中距離で活躍した競走馬でした。その血統背景として母母キヤツトロンシヤンの重石(Swaps、AlycidonにあるDonatello、Hyperionの存在)が効いているのだと考えます。そこに母ダイシンモードを迎え、Mr. Prospectorのクロスによりスピードが強化され、Buckpasserによりスタミナと力強さが強化されています。またSecretariatのクロスがあることでスピードとスタミナも強化されていますね。今回は芝でのレースでしたがダートでも走れそうな血統背景になってりうと思います。1600m~2000mが適正距離ではないでしょうか。


未勝利戦

10月22日(日)東京1R ダート1600m 優勝 1:38.9(雨・不良)

ジュンパッション        牡

父:クロフネ
母:トリプレックス
母父:サンデーサイレンス

好スタートから最初は先頭に立ちました。外からチャンピオンノホシが抜いて逃げに行ったので、2,3番手からの競馬になりました。道中もレースの流れに乗っていたと思います。4コーナー出口では並びかけていましたね。直線に入ると外にワンダーツーと馬体を併せ追い比べになりました。ワンダーツーの方が余裕を持っていたように見えましたが、抜かせることなく最後までバテずに走り、クビ差抑えて優勝しました。
父クロフネの力強さに母父サンデーサイレンスのスピードを入れた配合でしょうか。5代目までにクロスはないですが、Roberto、サンデーサイレンス、Buckpasserがいることで米国スタミナ血統がクロスしていますね。父クロフネはダートで圧倒的な強さを見せた競走馬でしたので、このような血統背景があることを考えるとやはりダート適正は高いと考えます。


10月22日(日)東京2R 芝2000m 優勝 2:08.2(雨・不良)

 カフジバンガード      牡

父:ハービンジャー
母:エミリア
母父:サンデーサイレンス

スタートは良かったですね。内枠ということもあり好位2番手からレースを進めました。道中も折り合って走っていたと思います。3コーナーからポジションを上げ、早めに先頭を射程圏内に抑えると、そのまま先頭を行くミレフォリウムにプレッシャーをかけながら直線に入りました。直線に入って追われると一気に抜け出しましたね。最後までバテることなく6馬身差をつけて優勝しました。
父ハービンジャーに母父サンデーサイレンスのスピードを入れた配合でしょうか。Hasili、Hoist the FlagがいることでTourbillonのクロスが成立していますね。また同じくHasiliとWishing Well、GuapaがいることでHyperionのクロスも成立しています。His Majesty、Tom RolfeというRibot系のスタミナ血統もあり、スタミナ優位の血統背景になっていると考えます。もちろん不良馬場でも走れるパワーの要因にもなっていると考えます。切れる脚は持っていないと思うので、今回の様に早め先頭から粘りこむ競馬が合っていると思います。先週の秋華賞を勝ったディアドラも父ハービンジャーでしたが、ハービンジャー産駒がズブズブの重馬場ででてきたら要注意ですね。


10月22日(日)東京3R 芝1800m 優勝 1:55.5(雨・不良)

ヴォウジラール      牡

父:ハーツクライ
母:レジェンドトレイル
母父:フレンチデピュティ

スタートは良かったですね。掛かりそうだったのか、内田博幸騎手が抑えて中団まで下げレースを進めました。それでも道中は掛かる様子をみせることなく、流れに乗っていたと思います。3,4コーナーで押してポジションを上げつつ直線に入りました。直線では外に出そうとしましたが2頭ほど馬がおり出すことができず、しかし前にいる2頭の間にスペースができると迷わず突っ込みました。外にワタシヲマッテルと馬体を併せてたたき合いになり、抜け出してからはバテることなく最後までしっかり走り優勝しました。
父ハーツクライに母父フレンチデピュティの重さを入れた配合ですね。Bold Ruler(父Nasrullah)のクロスがあるのとNasrullahの3/4同血Royal Chargerがいることでスピードを強化していますね。Wishing Well、トニービン、ハッピートレイルズが深部でHyperionのクロス、しかもLady Josephineのスピードと一緒にクロスしているのが良いですね。全体的にバランスが良い血統背景になっていると思います。


10月22日(日)京都1R ダート1400m 優勝 1:25.7(雨・不良)

タイガートゥーレ       牡

父:キャプテントゥーレ
母:コンフィデンシャル
母父:Fusaichi Pegasus

スタートは良かったと思いますが、押してもダッシュがつきませんでしたね。それでもダートコースに入って、道中は4,5番手でレースを進めました。道中はその位置をキープしていましたが、かなりズブイのか太宰啓介騎手は終始追い通しだったように見えました。4コーナーの勝負どころでは前に離されないように外をまわりながら鞭が入っていました。直線に入ると前を射程圏内に入れて懸命に追われていました。最後までバテることなく1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父キャプテントゥーレのスタミナに母父Fusaichi Pegasusのスピードを入れた配合といえるのかもしれませんが、キャプテントゥーレにもスピード血統は入っています。Haloのクロスとロイヤルスキーのクロスがあることでスピードが強化されていると考えます。ここでロイヤルスキーに注目するとその血統背景はNasrullah3×4、Tourbillon4×5のクロスがあります。Nasrullahのクロスによりスピードが強化され、Tourbillonのクロスによりスタミナが強化されています。そしてタイガートゥーレ全体の血統をみると母母母父のStalwartにもTourbillonの血が流れているのがわかります。インブリードによるスピード強化をTourbillonのクロスにより支えている背景になっています。よい血統だと思います。しかし今回のレースではかなりズブイ面を見せていましたし、まだまだ課題が多いですね。


10月22日(日)京都2R ダート1800m 優勝 1:53.6(雨・不良)

キーフラッシュ       牡

父:ストロングリターン
母:サザンレイスター
母父:サザンヘイロー

スタート良く押していき、内枠ということもあり逃げる展開となりました。道中は後ろにピタッと付かれてプレッシャーの掛かる展開でしたが、自分のペースで走れていたと思います。直線に入って追われると、後ろからサンライズナイトが追ってきましたが、差が詰まることはなく1 1/4馬身差(2着はダージリンクーラー )をつけて優勝しました。
父ストロングリターンのスピードに母父サザンヘイローのスタミナを入れた配合でしょうか。特徴はMr. ProspectorのクロスとHail to Reasonのクロスがあることでスピードが強化されていることと、Mr. Prospector、Halo、Roberto、Buckpasser、Nijinskyがいることで米国のスタミナ血統がクロスを成立させていることです。これだけスタミナ血統がクロスしていることが不良馬場でもしっかり走れた要因になっているのではないでしょうか。


10月22日(日)京都3R 芝1600m 優勝 1:40.6(雨・不良)

ヴァルディノート       牡

父:ヨハネスブルグ
母:シシリアンブリーズ
母父:ゼンノロブロイ

スタートは良かったと思います。道中は中団からの競馬になりましたが、途中掛かっていたのか不利を受けたのか一度C.ルメール騎手が手綱を引いて下がる場面がありましたね。そのようなこともあり一時後方3番手に位置していましたが、3コーナーから押しポジションを上げていき、4コーナー出口では外をまわりながら先団につけることができました。直線に入って追われるとしっかり足を伸ばし、抜け出してからは後続との差を広げるばかりで8馬身差をつけて優勝しました。
父ヨハネスブルグのスピードに母父ゼンノロブロイのスタミナを入れた配合でしょうか。Mr. Prospectorのクロスによりスピードを強化していますね。またMr. ProspectorとRoberto、Haloがいることで米国スタミナ血統のクロスが成立していますし、父母父父Damascusと母母父母父Never BendによりTourbillonのクロスもありスタミナが強化されています。適正距離は2000m前後でしょうか。


10月22日(日)新潟1R 芝1600m 優勝 1:36.4(雨・稍重)

ロードイヒラニ      牡

父:ロードカナロア
母:レディカーニバル
母父:Giant's Causeway

一番スタートが良かったですね。そのまま先頭に立って逃げました。4コーナーまわって直線に入るまで自分のペースで逃げていたと思います。直線半ばで追われると後続との差は詰まることはなくそのまま逃げ切って優勝しました。
父ロードカナロアにさらに母父Giant's Causewayのスタミナを入れた配合ですかね。Storm Catのくろすがあることでスピードを強化していますね。注目は母母ヴァージニーがスタミナ血統であることです。2代目にあるキングカメハメハ、レディブラッサム、Giant's Causeway、ヴァージニーという血統背景の中一番スタミナがある血統を持っています。このスタミナ血統が重要な背景になっていると思います。距離はマイルが適正距離ではないでしょうか。


10月22日(日)新潟2R ダート1200m 優勝 1:12.9(雨・稍重)

カクリョウ       牡

父:ロードアルティマ
母:オレンジジャスミン
母父:Masterclass

スタート良く押して逃げましたね。内枠だったこともよかったと思います。先頭に立って逃げたまま4コーナーまで行きました。直線に入って追われてからもしっかり伸びていました。外からコスモビスティーが差を詰めてきて馬体を併せてのたたき合いになりましたが、ハナ差退けて優勝しました。
父ロードアルティマは芝の短距離で活躍した競走馬で、その産駒は中央ではやはり芝短距離で若干成績を残しています。ロードアルティマが種牡馬となったのはその血統が良いからだと思います。血統だけでいえば大物が出ても不思議ない血統背景となっていますね。カクリョウはBold Ruler(父Nasrullah)のクロスがあることでスピードを強化していますね。またTom Foolのクロスがあり、Buckpasserがいること、Mr. Prospectorがいることで米国スタミナ血統のクロスが成立しています。さらに母父MasterclassにはLa Troienneの血をひくMr. Busherがおり、同じくLa Troienneの血を引くBuckpasserがいることでクロスが成立しています。しっかり走れる血統背景は持っていると思います。



参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

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