2017年10月11日水曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㊲ 10月8日(日)勝ち上がり馬



今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。10月8日(日)のレースです。

10月8日(日)東京4R ダート1600m 優勝 1:37.5(晴・重)

ヴェルトゥアル      牡 

父:スマートファルコン
母:シルクユニバーサル
母父:ブライアンズタイム

好スタートから気合をつけて先団に取りつきました。積極的に逃げを主張するというわけではありませんが、無理せずに先頭に立って逃げる形になりました。そのままマイペースで逃げることができましたね。直線に入るまでそのまま単騎で逃げていました。直線に入っても余裕がありましたね。後ろからも競りかけてくる馬もなく、直線半ばから鞭を入れて後続を突き放して4馬身差をつけて優勝しました。
父スマートファルコンは競走馬としてダートで活躍しました。そのため産駒はダート使う競走馬が多いようですね。この配合では母父にブライアンズタイムを迎えることで力強さを強化しダート適正を高くしていると考えます。父スマートファルコンがダート馬として活躍した血統背景として3代目にいるVaguely Nobleの血が影響していると考えます。また母シルクユニバーサルの3代目GraustarkがいることでHyperionのクロスも発生しヴェルトゥアルのダート適正をより高めていると考えます。ダート馬にしようとするはっきりした目的がみれる好配合だと思います。


10月8日(日)東京5R 芝2000m 優勝 2:03.9(晴・良)

ブラゾンダムール        牡

父:ディープインパクト
母:メダリアダムール
母父:Medaglia d'Oro

好スタートから2番手につけてレースを進めました。終始2番手でしたね。前半1000m1.03.9と遅いペースでしたが、掛かる様子もなく流れに乗っていたと思います。直線に入っても、前を行くジェシーをいつとらえるかというタイミングだけでしたね。追われて鞭が入るとジェシーに並び、抜け出して1 1/4馬身差をつけて優勝しました。強かったとは思いますが、このレース内容だとその強さは図れないですね。もう一度レースをみてみたい馬です。
しかし配合はバランスがとれた良い配合だと思います。父ディープインパクトのスピードに母父Medaglia d'Oroのスタミナを入れた配合です。母母IzaraにはBlushing Groom(父父Nasrullah)の血が流れていますし、Royal Chargerの血も多数見られます。Northern DancerやSir Ivorのクロスでスタミナも強化していますし、全体のバランスとしてはよいと考えます。

10月8日(日)京都5R 芝2000m 優勝 2:01.3(晴・良)

ジュンヴァルロ        牡

父:New Approach
母:ウェイクミーアップ
母父:ロックオブジブラルタル

スタートは普通でしたが、その後のダッシュよく1コーナーに入るまでには逃げの体勢をとることができていました。2コーナー過ぎまでやや行きたがっている様子を見せていましたが、向正面半ばでは自分のペースで走っていましたかね。前半1000mは1.00.05と新馬戦にしてはペースは速かったと思います。1000m過ぎからやや息を入れる感じになり、後続に詰め寄られましたが、4コーナー出口でも逃げる展開に変わりはありませんでした。直線に入る前から追い出し逃げ切りを図ろうとしていましたね。しかし後続から追いこんでくる馬もおらず、余裕をもって優勝しました。強い内容だったと思います。
父New Approachのスタミナに母父ロックオブジブラルタルのスピードを入れた配合です。深部でNasrullahのクロスやRoyal Chargerの血がありますが、はやり豊富なスタミナが武器になりますね。今回のレースの様にやや速いペースでも最後までバテることなく走り向けることができるのが強みになります。無理に脚を溜めようとするのではなく、自身のペースを守り後続に脚を使わせる展開が良いと思います。



未勝利戦

10月8日(日)東京1R ダート1400m 優勝 1:25.0(晴・重)

タマスカイブルー        牡

父:ヴァーミリアン
母:タママリア
母父:キングヘイロー

外枠からのスタートでしたが、ダッシュがつき2番手からレースを進めることができました。直線に入っても余裕がありましたね。半ばから追い出しに掛かると先頭を行くザブルグをあっさり抜き、そのまま抜け出し2 1/2馬身差をつけ優勝しました。
父ヴァーミリアンのスタミナに母父キングヘイローのスピードを入れた配合といえます。父ヴァーミリアンはダートで活躍した競走馬なので、タマスカイブルーもダート適正はあると思いますが、血統表をみる限り芝でも走れそうな背景になっています。ヴァーミリアンも2歳の時はラジオたんぱ杯2歳S(GⅢ芝2000m)に優勝していますし、芝でのレースを一度観てみたいですね。


10月8日(日)東京2R 芝1600m 優勝 1:35.1(晴・良)

アーモンドアイ       牝

父:ロードカナロア
母:フサイチパンドラ
母父:サンデーサイレンス

スタートは普通でしたね。前に行く馬が多く中団からの競馬になりました。道中は外々を走っていました。やや気持ちが勝って前に行こうとしているように見えましたが、C.ルメール騎手がうまくコントロールしていたと思います。4コーナーでは先団後方まで理想的にポジションを上げながらまわってきましたね。直線に入ってからは持ったままで前との差を詰めていきました。少し気合をつけるとスピードの違いで先頭に立ち、鞭を入れず後続との差を広げ優勝しました。今回のレースでは他の馬との力の差を見せつけた感じですね。
父ロードカナロアのスピードに母父サンデーサイレンスのスタミナを入れた配合ですかね。Nureyevのクロスがあることでスピードが強化されていますが、注目すべきはSex Appeal3×6のクロスがあることです。これによりBuckpasserのクロス、La Troienneの血を持つBusandaのクロスが成立しています。またサンデーサイレンスがいることでBuckpasserにあるBull Dog、Sir Gallahad(Bull Dogと同血)、Blue Larkspurともクロスを成立させています。血統全体をみるとMr. Prospector、サンデーサイレンス、Northern Dancerの主流血脈の存在が目につきますが、それ以外の血統がこれほど関係しているのは素晴らしいと思います。距離は2000mでも問題ないと思いますし、将来が期待できる一頭だと考えます。



10月8日(日)東京3R 芝1400m 優勝 1:22.0(晴・良)

ピースユニヴァース      牡

父:ロジユニヴァース
母:ロジディオン
母父:サニングデール

好スタートから先団に取りつきましたが、前に行きたがる馬に触発されたのか行きたがりましたね。そのため内田博幸騎手が抑えて中団からの競馬になりました。4コーナーに入って徐々にポジションを上げていき、直線に入るときには5、6番手の位置にいましたね。直線に入って外目に進路をとり追い出すと前との差を詰めていきました。内にエスターテと馬体を併せて叩き合いになり、クビ差退けて優勝しました。
父ロジユニヴァースのスタミナに母父サニングデールのスピードを入れた配合ですね。サニングデールは高松宮記念(GⅠ芝1200m)に優勝し、主に芝の短距離で活躍した競走馬ですが、その血統は面白いです。サニングデールのスピード化の要因は母方のNasrullahのクロスと父ウォーニングにあるRoyal Chargerの血が影響していると考えます。面白いといったのはこのウォーニングの父が主流血脈ではないのです。米国のスタミナ血統や欧州のスタミナ血統が含まれており、これがロジユニヴァースを迎えることでクロスをつくりスピードを維持するスタミナも強化しています。母父にサニングデールを迎えることでスピード、スタミナとも強化されているので、距離にも融通が利くと思います。気性の問題はあるかもしれませんが、2000mでも走れるのではないでしょうか。



10月8日(日)京都1R ダート1400m 優勝 1:24.9(晴・重)

マッスルマサムネ        牡

父:ヘニーヒューズ
母:プントバンコ
母父:フジキセキ

好スタートから押して逃げの形をとりました。後ろからつつかれる展開でしたが、4コーナー出口まで自分のペースで行けたと思います。直線に入って追われると後続を突き放しましたね。つつかれながらもこれだけ突き放して勝つので強い勝ち方だったと思います。
父ヘニーヒューズのスピードに母父フジキセキのスタミナを入れた配合でしょうか。 Raise a Nativeのクロスがあること、深部でNasrullahのクロスやRoyal Chargerの血があることでスピードが強化されていると考えますが、全体的にはスタミナ寄りの配合だと考えられるので、課題はスピードだと考えます。距離はもっと延びてもよいと思いますし、先手先手を取るレースが合うと思います。


10月8日(日)京都2R 芝1200m 優勝 1:09.2(晴・稍重)

スノーガーデン       牝

父:ショウナンカンプ
母:ユキノレッシャ
母父:フジキセキ

スタートは普通でしたが、ダッシュがつかず後方からの競馬になりましたね。3コーナーから4コーナーにかけてポジションを上げましたが、それでも直線を向く頃になっても後方4番手でした。直線に入って追われると脚を伸ばし、前にいた7頭をごぼう抜きにして優勝しました。見た目は派手でしたが、前半3F34.1秒と速いペースだったので後方にいたことが功を奏したのだと思います。
父ショウナンカンプのスピードに母父フジキセキのスタミナを入れた配合ですね。京都1Rを勝ったマッスルマサムネと同じ配合タイプの様に思うかもしれませんが、スノーガーデンの父ショウナンカンプは高松宮記念(GⅠ芝1200m)にも優勝し、芝の短距離で活躍したスピード馬なので、マッスルマサムネより距離適性は短くなると考えます。母にユキノレッシャを迎えることで父父サクラバクシンオーに含まれるNasrullahとクロスが成立してスピードを強化していると考えますが、同じ主流血脈であるノーザンテーストのクロスがあるので、むしろスタミナが強化されているのかな、とも考えます。今回芝でのレースでしたが、ダートでも面白いかな、と思います。5代目にチヤイナロツクがおり、これに含まれるHyperionがノーザンテーストのHyperionの血とクロスすることでダート適正を高める可能性があると考えています。


10月8日(日)京都3R 芝2000m 優勝 2:01.2(晴・稍重)

ウォーターパルフェ      牡

父:ルーラーシップ
母:ウォータープレミア
母父:ネオユニヴァース

好スタートから押して2番手につけてレースを進めました。道中も2番手をキープしながらレースの流れに乗っていたと思います。4コーナー出口ではすでに先頭を行くキングフォルテに馬体を併せていましたね。直線に入って追われるとしぶとく伸びていました。外からウォルビスベイが迫っていましたが、最後までバテることなく走り1/2馬身抑え優勝しました。
血統は中距離適性を強化したような感じですが、父ルーラーシップのスタミナをより強化したように考えます。ノーザンテーストのクロスがあることで、Hyperionもクロスをつくることになるのですが、それに加え母側にいるSwapsにもHyperionがいます。さらにポインテッドパスにもHyperionが含まれています。ここまでくるとスタミナ強化というよりは力強さが増してダートでも走れるかもしれませんね。今回稍重でのレースでしたが、この辺りの血統背景があり苦にせず走れたのだと思います。ただタイムはそれなりに速いのでの能力は高いと思います。



参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

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