2017年10月2日月曜日

2歳馬デビュー 2018クラシック制覇を目指して㉞ 9月30日(土)勝ち上がり馬

「競馬場って広いよね。」

今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。9月30日(土)のレースです。

9月30日(土)中山5R 芝1600m 優勝 1:37.1(曇・良)

デュッセルドルフ     牝 

父:ノヴェリスト
母:ガラディナー
母父:サンデーサイレンス

好スタートから好位につけましたが、やや行きたがった面を見せたのか田辺裕信騎手が抑えて中団前目からレースを進めました。3コーナーから4コーナーにかけて徐々に進出し、4コーナー出口では外から前に並ぼうかという位置まで上がっていました。追われて鞭が入ると切れるというわけではありませんが、しぶとく伸びてゴール前ではクビ差しっかりとらえて優勝しました。
父ノヴェリストのスタミナに母父サンデーサイレンスのスピードを入れた配合ですね。Lyphardのクロスがあることでスピードも強化されていますが、Lyphard産駒の特徴として長距離も走れるスタミナが挙げられるので、もっと距離が伸びてもよいと思います。切れで勝負するのではなく、長く良い脚を使うレースが合っているのではないでしょうか。ちゃしぶ的な考えとしてですが、父ノヴェリストに対してはNasrullah系のスピード血統を持つ母を迎えると良さそうな気がします。

9月30日(土)阪神5R 芝1800m 優勝 1:49.9(晴・良)

アドマイヤキング        牡

父:キングカメハメハ
母:アドマイヤテンバ
母父:クロフネ

スタートは普通でしたが、ややM.デムーロ騎手が押して好位4番手につけました。流れに乗ってレースを進めていましたし、その後徐々に進出して4コーナー出口で先頭に並んで直線に入りました。追われて鞭が入ってからはなかなか抜け出すことができませんでしたが、最後の坂を上り切ったあたりから抜け出して優勝しました。
血統は父キングカメハメハに母父クロフネの力強さを入れた配合ですね。全体的にはMr. Prospector、Northern DancerやHail to Reasonと現在主流とされる血脈が多く含まれています。高い水準の競走馬だとは思いますが、どの主流血脈の特徴が出るかで競走馬としての能力が決まってくると思います。Northern Dancerのクロスがあるのと、母父クロフネにもNorthern Dancerの血が流れているので、そのあたりの特徴がでると距離はクラシックディスタンスは問題ないと考えます。

9月30日(土)阪神6R ダート1800m 優勝 1:55.9(晴・良)

メイショウワザシ         牡

父:アイルハヴアナザー
母:メイショウワカツキ
母父:マンハッタンカフェ

スタートは普通でしたが、少頭数ということもあり2番手につけてレースを進めることができました。ペースは遅かったですが、掛かることもなくレースの流れに乗っていましたね。4コーナー出口では先頭を行くミルトジョンに並んでいました。直線に入って追われるとサッと抜け出して3 1/2馬身差をつけて優勝しました。
相対的に見て父アイルハヴアナザーのスピードに母父マンハッタンカフェのスタミナを入れた配合とみれるでしょう。となると課題はスピードです。父アイルハヴアナザーにはすでにスピード血統であるMr. ProspectorとDanzigのクロスがあります。Mr. ProspectorにはNasrullahの血が入っているのですが、母メイショウワカツキにあるSecretariatにはNasrullahの血が入っていますし、Hail to ReasonにはNasrullahと4分の3同血のRoyal Chargerの血も入っています。この辺りの影響が出てくるとスピード強化につながると思いますが、今レースを観るとやはりスタミナが勝っている印象をうけますね。


未勝利戦

9月30日(土)中山1R ダート1800m 優勝 1:56.9(曇・重)

ミックベンハー       牡

父:スマートボーイ
母:クロエチャン
母父:スパイキュール

好スタートからやや押しながらポジションをとりに行き、好位の内4、5番手につけることができました。そのまま掛かることもなく、不利を受けることもなく脚を溜めて直線に入りました。直線では内を狙って追い出しました。しかし前が壁になり(狭くなり)一度下げる不利がありましたが、もう一度追い出すとグランカナーレとコパノステラートの狭い間を突き抜けてきました。道中脚を溜めていこともあり、一頭だけ脚色が違っていましたね。最後の直線の不利以外は理想通りのレースができたのではないでしょうか。
血統は父スマートボーイのスタミナに母父スパイキュールのスピードと軽さを入れた配合ですね。ただ母母トレローニーはNasrullahの血も入っていますが、主に現在主流とされていないスタミナ血統で構成されていますし、父スマートボーイがダートを主戦場としていたことを考えれば、ダート適正が高いように思います。課題はスピードだと思いますが、今レース最後の直線で一頭だけ違う脚色を見せているのは深部でクロスしているNasrullahの血の影響だと考えますし、今後ダートでは楽しみな存在になるかもしれませんね。



9月30日(土)中山2R 芝1200m 優勝 1:09.5(曇・良)

キャクタス       牝

父:リーチザクラウン
母:リリーローズ
母父:タニノギムレット

好スタートから押して逃げる形になりました。ディアフェルスパーと馬体を並べての逃げでしたし前半3F33.9秒と速いペースでの逃げでしたね。直線でベルウッドキングいn並ばれそうになった時には「これまでかな。」と思いましたが、そこからが強かったですね。差が詰まることはなく1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父リーチザクラウンの中距離適性に母父タニノギムレットの力強さを入れた配合ですね。今レースは短距離でしたが、全体的には決して短距離馬というわけではないと思います。適正距離は中距離だと思いますが、Hail to ReasonのクロスとBold ReasoningやMr. Prospector、Caroに含まれているNasrullahの血のクロスがどれだけスピードを強化するかがポイントですかね。


9月30日(土)阪神1R ダート1400m 優勝 1:25.1(晴・良)

ユニオンローズ       牡

父:ネオユニヴァース
母:ランブリングローズ
母父:アグネスデジタル

スタートは普通でしたが、その後のダッシュが良かったのと岩田康誠騎手が押していったことで先頭に立つことができました。その後は力強く自分のペースで走っていましたね。最後の直線に入っても後続との差が広がるばかりで7馬身の差をつけて優勝しました。
父ネオユニヴァースのスタミナに母父アグネスデジタルのスピードを入れた配合でしょうか。父母ポインテッドパスは全体的に重い血統でダートでも走れそうなスタミナと力強さがありそうですが、母父アグネスデジタルもダートで活躍していたことを考えるとダート適正はあると考えます。またHaloとFlaming Pageがいることで米国のスタミナ血統であるBull Dog(同血Sir Gallahad)、Blue Larkspurのクロスが成立していることもスタミナを強化しておりダート適性を高くしているのかな、と考えます。芝のレースでもそれなりに着を残していますが、ダートのレースでこれだけの圧勝をみせられるとやはりダートの方が合っているのかな、と思いますね。


9月30日(土)阪神2R 芝1200m 優勝 1:10.3(晴・良)

グローバルリーチ       牡

父:シニスターミニスター
母:マスターセイレーン
母父:ネオユニヴァース

スタートは良かったですがダッシュがつかなかったのか、あえてなのか中団からの競馬になりましたね。道中行きたがる様子を見せていたので、岩田康誠騎手が抑えながらレースを進めていました。3コーナーから4コーナーにかけてはポジションを上げようとしていましたがややズブさをみせ、4コーナー出口ではまだ先頭をとらえられず外から上がっていく感じでした。直線に入ってからもまともに追えていなかったように見えます。左鞭が入ると内に切れ込んでいくように走っていましたね。決してスムーズなレース内容ではありませんでしたが、最後は1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父シニスターミニスターにはキングズガードやインカンテーションなどダートで活躍する産駒が多くいます。ここに母父ネオユニヴァースを迎えることでより重さを増したように感じます。母母パーレイも血統的にはスタミナ血統が主なのでダート適正がありそうな血統ですが、今レースでは芝の短距離で勝ちました。これまでダートにしろ芝にしろ短距離を使ってきましたが、どちらにしろもっと距離があった方が良いと思います。



参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
   NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
   二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
   コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
   コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン

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