今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。10月15日(日)のレースです。
10月15日(日)東京3R 芝1600m 優勝 1:40.8(雨・重)
オハナ 牝
父:ディープインパクト母:ハウオリ
母父:キングカメハメハ
好スタートでしたが、じっくり中団に控えての競馬になりましたね。道中も掛かる様子もなく良いリズムで走っていたと思います。4コーナーを外目に出して、そのまま直線に入りました。直線半ばで鞭が入ると反応良く伸びましたね。ゴールまでは前を行くライレローズをクビ差差し切って優勝しました。
父ディープインパクト、母父キングカメハメハの現在の日本の主流な血統背景ですね。母母にノースフライトがいるのがポイントです。ノースフライトがいることで狙いたいのはHyperion、La Troienne、Tourbillonというところでしょうか。父ディープインパクトがいることでHyperionのクロスは成立していますし、La Troienneも母父キングカメハメハがいることでクロスが発生しています。距離は2000mでも問題ないと思います。
ちなみに、上記の3点のクロスが同時に成立することを考えるとメジロマックイーンの血を引くオルフェーブルとの配合が面白いかな、と考えます。
10月15日(日)東京4R 芝1800m 優勝 1:51.9(雨・重)
ギャンブラー 牡
父:ハービンジャー母:アイアムマリリン
母父:マンハッタンカフェ
スタートは良かったですね。ダッシュがつかないタイプなのか石橋脩騎手が押して4、5番手からレースを進めました。4コーナーから進出してポジションを上げ、直線に入るときにいは外から先頭に並ぶ勢いでした。直線半ばまでは持ったままうちの馬と馬体を併せていましたが、追い出すと脚を伸ばして先頭に抜け出しました。そのまま後続を突き放した優勝しました。
父ハービンジャーはもともと血統的に重いイメージを個人的に持っているのですが、母父にマンハッタンカフェを迎えることでさらに重くなった気がします。馬力型というんでしょうか。そのため今回のような重馬場でも問題なく走れたのだと思います。課題はスピードですね。スタミナはあるので2000m以上でも問題ないと思います。
10月15日(日)京都4R ダート1200m 優勝 1:12.8(雨・稍重)
クレヴァーパッチ 牡
父:ハードスパン母:トーコーユズキ
母父:ディープインパクト
スタート良く内枠を活かして逃げる形を取りました。鞍上の武豊騎手も先頭に立つとそのまま行き過ぎないようにやや抑えると馬もすぐに対応しました。そのまま自分のペースで走っていたように思います。ペースは速すぎず遅すぎずでしょうか。そのまま先頭で直線に入りました。外からスリーチェイサーが追いこんできましたが、鞭が入るとさらに脚を伸ばして馬体を併せることなく、逆に突き放して優勝しました。
父ハードスパンのスピードに母父ディープインパクトのスタミナを入れた配合でしょうか。NijinskyがいることでサンデーサイレンスやRobertoとの間に米国スタミナ血統のクロスが成立していますね。これによりダート適正が高まっていると考えます。距離は1600mでも走れると思います。
10月15日(日)京都5R 芝1800m 優勝 1:51.0(雨・稍重)
フォックスクリーク 牡
父:ディープインパクト母:クロウキャニオン
母父:フレンチデピュティ
スタートは良かったですね。そのまま先団につけましたが外枠ということもあり、内から4頭目の外側を走る形になりました。その後徐々に隊形が崩れ、道中は4、5番手からレースを進めました。直線にはいる時には先頭を射程圏内に入れていましたね。直線に入るとそのまま外に位置して追い出しました。抜け出したと同時に外からドラセナ、内からニシノキントウンが追いこんできましたが、前を譲ることなく2着ドラセナに1/2馬身差をつけて優勝しました。
父ディープインパクトに母父フレンチデピュティの力強さを入れた配合ですね。渋った馬場でも問題なく走れた血統背景に母父フレンチデピュティの存在に要因があることは言うまでもないでしょうか。母母クロカミにはNijinskyがいてサンデーサイレンスと米国スタミナ血統のクロスが成立していますし、深部ではありますがHail to Reasonのクロスも成立しスピードの強化をしていると思います。ここに力強さを入れたのが母父フレンチデピュティであり、どのような馬場でも能力を発揮できるような血統背景になっています。距離はクラシックディスタンスでも問題ないと思います。
10月15日(日)新潟5R ダート1200m 優勝 1:14.3(曇・稍重)
ドゥリアリティ 牝
父:スターリングローズ母:ヒシラスティ
母父:フサイチコンコルド
スタートは良かったですね。芝コースからのスタートでしたがダッシュもつき2、3番手からの競馬になりました。3、4こーなにかけて徐々にポジションを上げ、4コーナー出口では先頭に並んで直線に入りました。直線で鞭が入ると反応良く抜け出して、そのまま危なげなくゴールしました。
父スターリングローズはダートのマイル前後の距離で活躍した競走馬でした。母父にフサイチコンコルドを迎えることで、元々Tom Foolのクロスがあることに加え、BuckpasserとNijinskyがいることで米国スタミナ血統のクロスが成立しています。これによりダート適性がより高まっているように考えます。距離はもっと伸びてもよいと思います。
未勝利戦
10月15日(日)東京1R 芝1400m 優勝 1:23.5(雨・稍重)
ハウナニ 牝
父:ロードカナロア母:ユキチャン
母父:クロフネ
スタートは良かったですね。そのままダッシュをつけ5、6番手からレースを進めました。道中馬込みからの競馬でしたが落ち着いて走っていたと思います。4コーナーをまわって直線では外に出して追い出しました。決して切れるというわけではないですが、ジワジワと力強く脚を伸ばしゴール前ではきっちり抜け出して優勝しました。
父ロードカナロアに母父クロフネの力強さを入れた配合ですね。深部ではスピード血統と組になっているHyperionとのクロスもみられます。距離は1600m~2000mが適正距離でしょうか。今回の走りをみても、もう少し距離が伸びても問題ないと思います。
10月15日(日)東京2R ダート1600m 優勝 1:36.9(雨・不良)
モリトユウブ 牡
父:アグネスデジタル母:パールイアリング
母父:スペシャルウィーク
スタート良く先頭に立ちましたね。逃げたくなかったのか、ペースを落とそうとしたのか、内田博幸騎手は抑えましたね。そこを内からトーセンヴィータが先頭に立ちその直後につけレースを進めました。道中はそのままの位置でレースの流れに乗り、4コーナー出口では先頭を行くトーセンヴィータに並びかけて直線に入りました。直線半ばまでは持ったままでトーセンヴィータと馬体を並べていました。追い出して鞭が入ると反応良く伸びましたが、トーセンヴィータも抜かせずゴール前まで馬体を併せてたたき合いになりました。際どかったですが、何とかハナ差退けて優勝しました。
父アグネスデジタルのスピードに母父スペシャルウィークのスタミナを入れた配合ですね。父アグネスデジタルは芝、ダート両方のGⅠに勝った競走馬で、配合によって芝を適正が高い競走馬になるか、ダート適正が高い競走馬になるかが分けられる種牡馬ではないでしょうか。現に産駒をみても芝で活躍したり、ダートで活躍したりと重賞レベルで活躍する競走馬が多くみられます。ではモリトユウブはどちらかというとダート適正優位の競走馬だと考えます。Mr. Prospectorとマルゼンスキーによる米国スタミナ血統のクロス、ノーザンテースト、ノースフライト、セントクレスピンによるHyperionのクロスがあることがそう考える根拠です。距離は2000mに延びても問題ないと思います。
10月15日(日)京都1R ダート1200m 優勝 1:14.8(小雨・稍重)
タガノアム 牝
父:ハードスパン母:スパニッシュソウル
母父:フジキセキ
ゲートが開いた瞬間走ろうとして躓いて出遅れましたね。しかしその後の舵手がよく先団に後方につけることができました。道中は馬群がバラけて縦に長くなり、後方3番手からの競馬になりました。行きたがっている面も見え、福永祐一騎手も押さえながらレースを進めていましたね。4コーナーを内の最短距離を走って直線に向き追い出し始めると反応良く伸びました。前が壁になり外に出す不利はありましたが、ゴール前ではしっかりとらえて優勝しました。
父ハードスパンに母父フジキセキのスタミナを入れた配合でしょうか。京都4Rで同じ父を持つクレヴァーパッチが優勝していますが、大きな違いはクレヴァーパッチは米国スタミナ血統のクロスを持ち、タガノアムはMr. Prospectorというスピード血統をもつことでRaise a Nativeのクロスが成立しています。そう考えるとタガノアムはクレヴァーパッチよりスピード能力はあるが、ダート適正は低いとなります。あくまでこの2頭を比較すると、ということです。今回のレースはスタート直後の躓きに直線の不利とありましたので、スムーズな競馬ができればもっと走れると思います。
10月15日(日)京都2R ダート1800m 優勝 1:56.3(小雨・稍重)
ブルヴェルソン 牡
父:ダイワメジャー母:キューティゴールド
母父:フレンチデピュティ
スタート良く先頭に立つ勢いでしたが、内に2頭馬を並べていたこともあり1コーナーのコーナーリングで3番手につけてレースを進めることになりました。道中も流れに乗って走っていました。3、4コーナーにかけて徐々に前との差を詰め、4コーナー出口では先頭に並んで直線に入りました。直線に入って追い出すとしぶとく伸びて、カレンガリアードとのたたき合いになりましたがバテることなく競り落とすとゴールまで走り抜けました。
父ダイワメジャーに母父フレンチデピュティの力強さを入れた配合ですかね。ノーザンテーストのクロスがあることでHyperionの血を含むLady Angelaが4本あることになり、スタミナを強化することになります。またダート適正をさらに高めることにもなりますし、今回のダートをこなした要因にもなっていると考えます。
10月15日(日)京都3R 芝1600m 優勝 1:35.7(雨・良)
メガリージョン 牡
父:キングカメハメハ母:サンクスノート
母父:サクラバクシンオー
スタートは普通でしたが、その後行きたがっていましたね。鞍上の福永祐一騎手も抑えていましたが、3コーナー前にはもう抑えられず先頭に立っていましたね。そのまま先頭で4コーナーをまわり直線に入りました。外からロードマドリードが追いこんできましたが、メガリージョンも追われると馬体を併せることなく、着差は縮まらずゴールしました。
父キングカメハメハに母父サクラバクシンオーのスピードを入れた配合ですね。母父サクラバクシンオーのスピードはNasrullahのクロスによるものだと思いますが、深部でこのNasrullahのクロスが成立しています。Mill Reef、SecretariatがいることでNasrullahとPrincequillo組のクロスもありスピードを支えるスタミナも強化しています。1200m~1400mの方がレースはしやすそうですが、距離適正は1600mまででしょうか。
10月15日(日)新潟1R ダート1200m 優勝 1:13.2(曇・稍重)
ラフィングマッチ 牡
父:タイキシャトル母:シアージュ
母父:Raven's Pass
好スタートからそのまま先頭に立りました。内にロータスクイーンがいて馬体を並べて逃げる展開になりました。3コーナー前にはラフィングマッチが1馬身ほど前に出て逃げていましたが、そのままの形態で直線に入りました。直線に入って追い出され逃げ込みを図りました。外からカミノコ、モアイが追いこんできましたが、最後まで粘りこむことができました。
父タイキシャトルのスピードに母父Raven's Passのスタミナを入れた配合でしょうか。NijinskyとMr. Prospectorがいることで米国スタミナ血統がクロスしていますし、深部ではHyperionのクロスもありますね。これらのクロスの影響が出れば距離はもう少し長くても問題ないと思います。
10月15日(日)新潟2R 芝2000m 優勝 2:02.0(曇・良)
レノヴァール 牡
父:ハーツクライ母:データ
母父:Roy
スタート良く1コーナーをまわるときには3~5番手につけてレースを進めていました。そのままリズムよく走っていたと思います。3、4コーナーにかけてポジションを上げ、4コーナー出口では鞭を入れながら先頭に並んで直線に入りました。内にタガノバルバドスと馬体を併せながら追い比べになりましたね。ゴール前では競り勝って1 1/4馬身差をつけて優勝しました。
父ハーツクライのスタミナに母父Royのスピードを入れた配合です。深部では米国スタミナ血統やCourt Martialのクロスが成立しており、スピード、スタミナとも強化していますが、基本父と母の能力をそのまま受けついでいる競走馬と考えます。それでもスタミナ優位かなと考えます。切れを活かすのではなく、今回のレースの様に我慢比べのレースの方が合っていると思います。
10月15日(日)新潟3R 芝1000m 優勝 0:56.1(曇・良)
アーヒラ 牝
父:スウェプトオーヴァーボード母:エイシンルンナ
母父:エイシンワシントン
スタート良く先団につけました。そのまま外目外目に移動し馬場の良いところを走っていいましたね。最後はクラウンチャンプとの追い比べになりましたがハナ差で優勝することができました。
父スウェプトオーヴァーボードのスピードに母父エイシンワシントンを入れた配合です。エイシンワシントンは芝の短距離で活躍したスピード馬でしたが、その血統背景は現在主流とする血統はほとんど入っていません。このような血統を持つ馬が母父にいるのは面白いですね。母父エイシンワシントンを中心にして考えるとスピード血統と組みになっているHyperionのクロスもありますし、DamascusのクロスがあることでTourbillonのクロスも成立しています(5代目にいるAmbiorixにもTourbillonが入っています)。さらにアーヒラの配合としては目立ちませんがPrincequilloの血も多く含まれていますし、La Troienneの血も含まれていて、主流血脈の特徴を活かすための血脈が盛りだくさんですね。このように考えるとアーヒラはスウェプトオーヴァーボードにあるエンドスウィープの特徴の特徴を伸ばす配合になっていると考えます。とすると1600mまでは走れると思いますし、これだけ重い血統があることを考えるとダートでも走れる力強さがあるとも考えます。こおのような血統が活躍してほしいと考えますし、繁殖牝馬になっても次世代への継手として期待したいですね。
参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン
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