今週も2歳戦の新馬戦、未勝利戦を振り返っていきます。10月7日(土)のレースです。
10月7日(土)東京5R 芝1400m 優勝 1:23.6(曇・稍重)
キャンディケイン 牝
父:ハーツクライ母:スナッチド
母父:Cat Thief
スタートはそれほど良くありませんでしたが、その後のダッシュよく大外からポジションを上げ先団に取りつきました。道中は3番手につけてレースを進めていましたね。そのまま3番手をキープして直線に入りました。気合をつけると抜け出しに掛かっていたトーセンリラをとらえ、残り200mの地点で鞭が入るとさらに脚を伸ばして抜け出し優勝しました。父ハーツクライのスタミナに母父Cat Thiefのスピードを入れた配合でしょうか。5代目まで見るとNorthern Dancerのクロスしかありませんが、その深部をみるとNasrullah
やRoyal Chargerの血があり、これもスピードを強化していると考えます。姉にスナッチマインド(父ディープインパクト)がおり、芝の1200m~1600mを主戦場としています。それを考えるとキャンディケインも1600m前後が適正距離であると考えます。
10月7日(土)京都4R ダート1400m 優勝 1:24.8(曇・不良)
ホウショウナウ 牡
父:ゴールドアリュール母:ホウショウルビー
母父:デザートキング
好スタートから先団につけることができました。2番手からの競馬でしたね。流れにも乗っていたように見えましたし、4コーナー出口では先頭に並んで直線に入りました。直線に入って追われると一気に抜け出して、しかもさらにスピードに乗って脚を伸ばしているように見えました。そのまま後続を突き放して優勝しました。
父ゴールドアリュールに母父デザートキングのスピードを入れた配合ですね。ゴールドアリュールの産駒はダートで活躍する馬が多く、ホウショウナウもダート適正は高いと考えます。そこにスピードを入れた配合であることを考えるとダート1600m辺りが適正距離になりそうですね。
10月7日(土)京都5R 芝1400m 優勝 1:23.2(曇・重)
タガノカレン 牝
父:ダイワメジャー母:スマートレディー
母父:ジャングルポケット
好スタートから先団につけました。他馬との先行争いに巻き込まれないようM.デムーロ騎手がやや抑えて4番手からレースを進めました。3コーナーから4コーナーにかけて徐々にポジションを上げていき、4コーナー出口では先頭を射程圏内に入れていましたね。直線に入って追われると内にプリンセステソーロをみながら追い比べの形になりました。しかし最後までバテることなく1 1/2馬身抜け出し優勝しました。
父ダイワメジャーに母父ジャングルポケットのスタミナを入れた配合ですね。母母フロムファーストもスタミナ血統が多くあるので、今回芝1400mのレースでしたが2000mでも走れても不思議はないと思います。
未勝利戦
10月7日(土)東京1R ダート1300m 優勝 1:18.3(曇・不良)
ミコジェンヌ 牝
父:プリサイスエンド母:ムーンライトソング
母父:ステイゴールド
スタートはそれほど良くありませんでした。スタート直後は中団に位置していましたが、その後すぐにポジションを上げ、先団後方に位置しました。4コーナー出口では5,6番手までポジションを上げていましたね。直線半ばで前が開き追い出すと力強く抜け出してきました。イサチルルンルンが最後差を詰めてきましたが、余裕をもってゴールしました。
父プリサイスエンドに母父ステイゴールドのスタミナを入れた配合ですね。父プリサイスエンドの産駒にはカフジテイクやグロリアスノアなどのダートで活躍する馬がみられます。スタミナもある配合だと思うので、距離が延びたほうが力が発揮できるのではないでしょうか。
10月7日(土)東京2R ダート1600m 優勝 1:36.4レコード(曇・不良)
ムルシェラゴ 牡
父:プリサイスエンド母:サクセスベルーナ
母父:シンボリクリスエス
スタートは良かったですね。そのまま馬なりで好位2、3番手につけてレースを進めることができました。前半3F34.4秒とハイペースでしたね。4コーナー出口では先頭を行くアシャカデッシュをとらえていました。直線に入って追われるとジワジワと脚を伸ばしました。先頭を行くアシャカデッシュも頑張っていましたが、ゴール前ではクビ差とらえることができました。1、2着の馬はどちらもハイペースの流れを1番手、2番手でレースを進め最後まで残りました。他の馬とはちょっと力が違いますかね。
東京1Rで優勝したミコジェンヌと同じプリサイスエンドが父ですね。ムルシェラゴも父プリサイスエンドのスピードに母父シンボリクリスエススタミナを入れた配合です。ダート適正だけを考えればムルシェラゴの方が高いと考えますし、Hail to Reasonのクロスや深部でNasrullahのクロスもみられることを考えればスピード能力もこちらが高いと考えます。
10月7日(土)東京3R 芝2000m 優勝 2:02.3(曇・重)
マイネルファンロン 牡
父:ステイゴールド母:マイネテレジア
母父:ロージズインメイ
好スタートから内枠を活かし逃げる展開になりました。掛かる様子もなくマイペースで逃げていたと思いますがペースも遅くなく、どの馬も力が出せるレース展開だったと思います。先頭で直線に入りましたが、余裕がありましたね。直線半ばから追われましたが、後続から追い上げてくる馬もなく4馬身の差をつけて優勝しました。
父ステイゴールドのスタミナに母父ロージズインメイのスタミナを入れた配合と考えますが、Halo、Hail to Reasonのクロスによりスピードを強化していると考えます。主流血脈であるHail to Reasonの中心の配合だと考えますし、こういうはっきりした配合は良いと思います。それを支えるスタミナ血統も多くみられるのもよいと思います。また母母マイネヌーヴェルに流れるブライアンズタイム(父Roberto)の血が重馬場をこなした要因にもなっていると考えます。
10月7日(土)京都1R ダート1200m 優勝 1:11.9(雨・不良)
アスターソード 牡
父:ゴールドアリュール母:アスターヒューモア
母父:More Than Ready
スタートは普通でしたが、和田竜二騎手が押してポジションを取りに行きましたね。それでも中団前目からの競馬になりました。そのままのポジションで最後の直線に入りました。直線に入ると前を行く馬が壁となって抜け出すところがないように見えましたが、それでも追われると前の馬を怖がることなく、脚を伸ばして行きました。直線半ばまで来ると外に出し、一完歩一完歩前との距離を縮めていきました。そしてゴール前では1/2馬身抜け出して優勝することができました。
父ゴールドアリュールに母父More Than Readyのスピードを入れた配合ですね。Halo、Mr. Prospectorのクロスによりスピードを強化していますが、WoodmanからのMr. Prospectorの血であり、早熟の可能性もあると考えます。距離は今回のレースの様に短い方が良いでしょう。
10月7日(土)京都2R 芝1600m 優勝 1:34.6(曇・重)
レッドランディーニ 牝
父:ディープインパクト母:レッドメデューサ
母父:Mr. Greeley
映像の角度により確認しづらかったのですが、スタートは普通かやや遅かったですかね。先団から少し離れたところからレースを進めました。先団との差がやや詰まることはありましたが、ポジションは変わらずそのままの流れで直線に入りました。内を突くような形で直線に入り、追われるとしっかり反応して脚を伸ばしました。そのまま馬群の隙間から抜け出してきて一気に抜け出すと、4馬身突き放して優勝しました。瞬発力とその持続力をみせたレースでしたね。
父ディープインパクトに母父Mr. Greeleyのスピードを入れた配合ですね。Mr. Prospectorの血もありますし、深部にはNasrullahの血が多数見られます。しかも父ディープインパクトということもあり、Nasrullahと3/4同血のRoyal Chargerの血も流れています。同じ系統の血でスピードを強化しているのは良いですね。このような血統背景もあり1600m前後が適正距離だと考えます。
10月7日(土)京都3R 芝1800m 優勝 1:50.9(曇・重)
メサルティム 牝
父:ディープブリランテ母:ピンクアリエス
母父:キングカメハメハ
スタートしてやや押しながら逃げの形をとりました。特にムキになって走っている様子もありませんでしたし、マイペースで逃げていたのではないでしょうか。1000m通過が1.04.00とスローでしたし、逃げ有利の展開になっていましたね。そのまま直線に入り、半ばから追い始めましたね。最後アドマイヤアルバ に詰め寄られましたが、何とかしのぎ切りました。
血統は中距離適性強化したような配合ですが、母母ピノシェットがスピード血統なのと、血統の深部ではNasrullahがクロスしていることからスピードが伝わるのを期待するのと、Miswakiとトライマイベスト、Dr. Fagerがいることで米国スタミナ血統(Buckpasser等)がクロスしていることでスタミナが強化されることが挙げられます。5代目までではNureyevのクロスしかない血統背景に見えますが、なかなか深い血統になっていると考えます。
参考:競馬通信社著作・発行 尾林奉之 『血統基礎講座』
NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学サラブレッドの進化と限界
NHK出版 吉沢譲治 競馬の血統学Part2
二見書房 山野浩一編著 サラブレッド血統事典
コスモヒルズ 武市銀治郎 世界の逞しい血統1980~2010 血の活性化論
コスモヒルズ 小林皓正 新・血統マップ 日本&世界のサイヤーライン
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